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アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学2年生
176/339

【第176話】夏休み~海~

「海だ!!」

「海だ!!」

「「うーみーだー!!」」


 わたしと遥さんはとある海に面した別荘のベランダから叫んだ。

 眼の前にはキラキラと太陽の光を反射する海が広がり、今日は空もまさに絵に描いたような晴天。絶好の海日和だ。


「二人共はしゃぎすぎだよー」


 この別荘に誘ってくれた大崎さんがわたし達の後ろで到着してひと休憩と紅茶を入れてくれている。

 今回は2泊3日で大崎家の別荘に登坂さん共々お呼ばれしたからやってきている。

 流石に一人男が混じっているのはお父様に言えないから里奈さんで来てーと頼まれたから里奈の姿で来た。まぁ里奈の姿だろうが男が混じっているのは間違いないんですけどね。


 あと一応実家に帰ってたから現地集合で、今回は母さんの車を借りてきた。女装のときは使っていいよと言われてるし。いつもの車はあれ大崎さん達にリンの車として認識されてるから使えないし。


「そういや、あのライブのあとまたランキング上がってたね」

「あーまぁねー。社長があのあとCDの売上も伸びたって喜んでたね」


 わたしが鈴木麻美の弟だと知られた後、また動画サイトのランキングが急上昇したのと、CDが売れていっているというのを社長から聞いた。色々あって動画サイトにもログイン出来てなかったからこの前のスタジオでの収録であがってたよーと教えてもらった。伊佐美さんにはイケメンにもなれるんやなぁーとリン姿のわたしをまじまじ見てきて、ありえへんとか言ってた。


「本当に驚きなんだけど。本当に鈴木くんが悠里さんなの?」


 俺達より先に来ていた登坂さんが、お茶菓子をつまみながらわたしの方を見ながら言う。


「信じるも信じないもあなた次第だからね」


 声を変えながら答える。


「その声聞いたら信じるしかないじゃん!!」



 *



「なんというか・・・里奈さん水着いけるんだね・・・」


 わたしが結構前に姉さんから貰った水色生地の白と青のラインで模様の付いたビキニのトップにショートパンツの水着を合わせて白のラッシュガードを羽織っている。着れるの? と聞かれたから着てみた。一応男性物の水着も持ってきてますよ?


「意外となんでもいけるよね?」


 遥さんがわたしの後ろから抱きつきながら言う。遥さんの水着は布面積が広めの一応ビキニだ。この前一緒に買いに行ったもので、そのときに一緒にわたしはショートパンツの水着を買った。


「着ようと思えば大体着れるよ」


 流石に布面積の少ないのはちょっと遠慮したいけど。


「私の見間違いじゃなかったら胸があるように見えるんだけど」


 大崎さんがわたしの胸を見ながら聞いてきた。


「パッドはしてないけど、寄せて上げてる」


 AAぐらいかな? 


「なんか小さいなぁって思うのは私がおかしいのかな?」

「加奈、それは私も思ってるから大丈夫。里奈さんが男だってのは分かっているのに胸がないのなんか違和感あるんだよね」

「そうそう!!」


 どうせならパッド入れてよ。 と二人に言われるけど・・・


「今から海入るのに、なんでパッドしなきゃならないの・・・」


 まぁ水でもいけるパッドはあるけど、わたしは使わないから。



 *



「ねぇねぇ、下ってどうなってんの?」


 登坂さんが興味津々に視線を下の方に向けながら聞いてきた。


「まぁ見ての通り」


 水着だからタックしてますよ。


「ないよね」「うん。ない」


 大崎さんまで・・・


「というか、毎回こういう格好した時に下どうなってるのか聞かれるんだけど、そんなに気になる?」


 水着はそんなに着たことないけど、時々着るスーツとかのタイトスカートとかパンツとかで伊佐美さんによく聞かれるからね。

 そんなに皆ってあそこが気になるものなの?


「いや、気になるでしょ?」

「そうそう。だって胸は里奈さんぐらいの人もいるから、胸より下だよね」

「そうなの?」


 遥さんどうなの?


「さ、さぁーねー」


 漫画描く時に結構そこに力入れてるのわたし知ってるんですからね。



 *



「ねぇ。ここプライベートビーチって言ってたっけ?」

「そうだよー、まぁうちの持ち物というよりも会社のなんだけどね。貸し出してるんだよー」


 別荘はうちの持ち物だけど。と大崎さんが教えてくれる。

 ビーチも結構な広さがあるし、近くには駐車場もあって結構アクセスは良さそうだから使う人はいそう。


「夏にはここで花火あげたりするの」


 バーベキューもやるんだよー。と大崎さんは楽しそうに言う。まぁ人数集まってのバーベキューって楽しいからね。今年も事務所で行く予定あるけど、どの格好で行こうか。やっぱりリンかな。でも近藤達に悠里とバレたんだよなぁ・・・どうしようか。


「また何悩んでんの?」


 遥さんがわたしがどうしようか考えているのを察知したのか聞いてきた。本当によく気がつくなぁ。


「んー。事務所のバーベキューどうしようかと思って」

「あー、そっか。近藤くん達がいるもんね」


 本当にどうしようか。


「まぁまだ先の事を悩んでも仕方ないしさ!! 背中に日焼け止め塗って?」

「おーけー」

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