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アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学2年生
162/339

【第162話】司会のオシゴト1

「今年もこの季節がやってきました」


 スタジオにやってきた社長がわたしにメールをプリントした紙を渡してきた。なんですかこれ。


「司会の依頼について」


 ・・・あぁ。昔やった歌い手イベントの司会ですか。去年はそんな話なかったですよね。


「去年はこっちの方でやったイベントじゃなかったからね。

 リンちゃんだって遠いし忙しいからって断ってなかったっけ?」

「覚えてない」


 記憶の片隅にも残ってない・・・引っ越しやらで忙しくて断ったのではないでしょうか。去年はこの時期バタバタしてましたし。


「で、今年は出来るか?」

「ん」


 とりあえずその日は他に予定はないですし。



 *



「4人ともちょっといい?」


 何気にまだ続いていた歌ってみたのグループで新作を録っていると社長がやってきた。


「なんですか?」

「これこれ。どう出る?」

「出れるなら出たいです!!」「私も!!」


 社長が見せてきたのは、あのイベントのプリントだった。あのー俺、リンの方で出る予定だと思うんですが。


「他の二人は?」

「えーと・・・」


 どうすんの? と遥さんの視線が俺の方に来る。

 遥さんには悠里としてイベントの司会をするという話はすでにしているから、悠里としてすでに仕事が入っているのは知られている。


「あっそうそう。午前と午後で司会が変わって、今回は午前は悠里ちゃんで午後は麻美君がやってるから、安心していってくれていいよ」


 あっ、これ俺用の説明だ。今社長がこっち見ながら話したし。多分俺たちが出ることになったら午後の部になるんだと思う。ただそれだと俺忙しくないですかねぇ・・・



 *



「今年もよろしくおねがいします」「よろしくねー」


 悠里の格好で姉さんと一緒に出演者の控室の大部屋にいくと、今回のイベントの参加者が既に大勢集まっていた。ボイスリサーチャーズのわたしを抜いた三人もきちんといる。出番は昼からだからまだ来なくても良かったんですよ? まぁ今から打ち合わせなので来ておく必要はあるんですけどね。


「「「よろしくお願いします!!」」

「では打ち合わせさせてもらおうと思います。居ない人はいませんか?」

「あのー一人昼から来るってことなんですけど・・・」


 近藤が小さく手を上げつつスタッフの一人に申し出た。


「ボイスリサーチャーの方ですね。はい。それはこちらにも連絡が来ていますので、大丈夫です」


 スタッフの人には、昼から来る一人がわたしだとは伝えていませんが、一応遅れて合流するとは連絡済みです。なんかその辺りは社長が調整してくれました。事前連絡は大事です。当の社長はコスプレゾーンの方へ行きましたけど。ステージは開始時間少し遅いんですよね。ある程度観客が入場してからという考えだとは思いますけど。


「午前については悠里さんに司会をしてもらいまして、午後からは鈴木麻美さんに司会をしてもらいますので、出演者の皆様はステージ上から呼ばれますので・・・」


 すでにわたしは先にこの辺りの打ち合わせはしているので、軽く聞き流す程度で。今回ははじめから司会のわたし達はステージの上に立つ予定です。


「午後の前に一度パロディメロディの二人に一曲歌って貰う予定です」


 それもわたしは先に聞いたのと、ココに来る前に顔合わせは済んでます。本当にリンさん!?という驚かれ方はしたけど・・・そういや悠里として会ったことはなかったっけ?

 で、その歌ってもらっている間にわたしは着替える予定になってます。


「それでは何か質問ありますか?」


 特に質問はなさそうですね。


「では、打ち合わせは終了です。ありがとうございました」



 *



「そういや今日リンって下着何着てんの?」


 姉さん? 楽屋に帰ってきて早々その質問はなんですか。今日は同じ事務所で姉さんも嫌がらなかったということで、姉さんと楽屋は一緒になっている。今回有名人を呼びすぎて個室の楽屋を用意するのが難しいらしい。


「いや、だってさ昼から佑樹になるわけじゃん? 徹底してるリンはどうしてんのかなーって」

「今日はトランクスにブラ」


 まぁ別に実の姉に隠すほどのものでもないですから答えますけど。


「トランクスにブラなんだ」

「ちょっと違和感あるけど、仕方ない」


 昼からは男の姿になりますからね。ブラかブラトップかで迷ったけど、外した時に隠しやすい方にしました。というか帰りは多分素の姿なのでできるだけそういった荷物は少なくしたいです。


「別に言ってくれれば私が持って帰るけど?」


 ・・・その手があったか。

 いや、流石に姉さんでも下着を変わりに持って帰ってもらうつもりはないです。

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