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アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学2年生
159/339

【第159話】新学年

「では、進級を祝ってカンパーイ」

「「「カンパーイ」」」


 食堂の一角で持ち寄ったお菓子とジュースで俺と遥さん、大崎さんに登坂さんで落第することなく進級できたことに軽く乾杯する。

 新入生は昨日あたりからいるはずだから、サークルの人たちは新入生獲得のために忙しいらしいけど、俺たちはサークル未参加だから暇なんだよな。


「まぁ一年から二年は留年ないんだがな」

「まぁね」


 まぁ俺たちはサークルも入ってない分、時間があるし取れる授業は先に取っていってるから単位的には全然余裕があるんだけどな。


「そういや体育って二人共取った?」

「まだ」「まだだねー」


 ちょっと他の講義と時間が被っていたのもあって一年生の時に取ってないから二年生で単位を取る必要がある。

 結構な人が取ってないんじゃないだろうか。


「私達もまだだから、一緒だね」

「だなぁ。でも体育って男女でやるのか?」

「内容によっては一緒らしいよ」


 なるほどねぇ。


「まぁ鈴木くんなら女子に混じれるでしょ?」

「混じれると思うけど、俺男だからな」


 普通に女子会っぽいこの集まりにも混ざってるけど。普通に呼ばれたけど。


「大丈夫!!里奈さんならいける!!」


 なんなら今から着替えてきてくれても!! と何故か俺が女装するのを勧めてくる大崎さん。まぁするのは全然構わないけど、今から帰ってもう一回学校来るのはめんどくさい。


「大学の授業は性別通り受けさせてください」


 ほんとまじで。と里奈の声で言ってみる。


「それ思ってないでしょ」

「いや、正直女子に混じって体育は無理じゃないかな」

「んー女子の運動部の人と比べたら同じくらいじゃない?」


 というか私と同じくらいじゃん。と遥さん。まぁ遥さんは俺の運動能力は話のネタとして話してるから知ってるよな。

 一応、力とか持久力は男子の平均はあるんですがね。


「やっぱり混じれるじゃん」

「いや、遥さんが運動神経いいだけだからな」


 高校のときだって運動部じゃないのに運動神経いい組に分類されてたし。



 *



「アメフト部です!!よろしくおねがいします」「卓球部です!!卓球やりませんか!!」「コンピ研です!!パソコンに興味ある人どうぞ!!」


 校門前は部活とサークルの勧誘だらけだ。2年の俺たちにもビラを渡される。その時に少しだけ恨めしそうに見られた。まぁ今女子三人に対して男子は俺一人だからな。


「去年も思ったけど、勧誘すごいよね」


 ほらみて。と大崎さんが指差すところには、演劇サークルが勧誘をしている。唯一の女性(に見える)会員の木村君を全面に押し出してビラを配っている。まぁあの文化祭の後も自分でメイクできるように仕込んだからなぁ。


「演劇サークル女子入ったんだ」


 登坂さんが木村君を見ながら言った。


「いや、あれこの前の文化祭で女役してた木村君だよ」

「えっ!? まじ!?」


 遥さんはどうやら見破ったらしい。この前の文化祭とはまた違うメイクしてるからな。文化祭のは舞台用で少し濃い目で、今はナチュラルに見えるメイクだ。


「これで目覚めちゃったりして」


 それはそれで楽しみなんだけど。と登坂さん。最近俺たちの部屋の同人誌を読み漁っているからか、そういった知識も付いたし、そういう目で見始めたんだけど・・・まだナマモノのカップリングをしないだけましか・・・ナマモノでカップリングまでし始めると沼だからな。

 俺たちが原因で引きずり込むのはちょっとな。


「まぁ目覚めたら素質があったってことで」



 *



「あっ鈴木君!! 飯島さん!! 発見!!」


 なんですか。アニメ研究会の会長の高崎さん。


「是非うちのサークルに入ってください!!」

「何度もお断りしていると思いますが?」

「だって二人の声と演技力は絶対欲しいし!!」


 あと、この時期なら堂々と勧誘しても大丈夫だし!!と高崎さんが言う。そうは言われても流石に本職が混じったら他の声優の人に申し訳ないので入れませんし。


「勧誘されても入りません」

「せめて声優の技術指導を!!」

「んーまぁそれぐらいなら」


 技術指導ぐらいならしますよ。まぁ演技力はどこまで羞恥心をなくせるかというのもありますけど。照れてたら出来るものも出来ないので。


「ほんとっ!? 言質とったからね!!」

「時間が合えばですけどね」



 *



「鈴木君が他の声出せるのは知ってたけど、飯島さんも出せるの?」


 あー、そういや、大崎さんと登坂さんには遥さんの声は知らないんだっけ?


「まぁ出せなくはないよ」


 遥斗の声じゃない男声で遥さんが答える。練習したから遥さんはいくつか男声を使い分けれるようになってるからこれくらいはどうにかなる。


「「おぉっ!!」」


 すごっ!! と二人は遥さんから聞こえてきた声に感嘆の声をあげた。


「あっ、もしかして二人で男装、女装ででかけてたり?」


 声が変えられると知って登坂さんがもしかしてと聞いてきた。


「さぁ? どうだろ?」


 にししと遥さんが答えになっていない答えを返す。


「その反応はやってるわね!!」


 ブレンドの本みたいじゃん!! と完全にブレンドのファンになっている大崎さんが盛り上がった。まぁ一部実体験込みですし。あの同人誌。色々ぼかしてはいますがね。


「今度、飯島さんの男装も見せてよ!!」

「んーまぁいいよ」



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