表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学1年生
141/339

【第141話】ショッピング

 これは今冬用かな? まだ、秋口だけど店頭には色々冬用の服が並んでいる。秋の服もあるけど、そっちはもうわたしは十分数はあるしそんなに興味ない。

 というか最近は大学に来ていくメンズの服がない。レディースなら結構あるんだけど・・・それを遥さんに言ったら服貸そうか? と言われ、大学に行く時に実は借りている。


「リン、コレ着てみてよ」


 姉さんがさっきわたしが見ていたマネキンが着ていた服をわたしに押し付けつつ言った。

 グレーのラメニットで光の角度によって所々キラキラと光っている。んーわたしラメ系苦手なんですよね。マネキンを見てはいましたが、趣味だとは言ってないです。


「こっちがいい」


 わたしが姉さんに差出すのは紺のキャミワンピース。秋用のエリアにあった。今日の服は白系だから、モノクロではっきりと色を分けたほうがメリハリがあって好き。思ったらわたし白系黒系の服の方が多く持ってる気がする。


「じゃぁそっち着てみて」

「ん」


 試着室は・・・あそこですね。



 *



「うんうん。似合う似合う」


 まぁ似合うのを選んでから着てますし?


「姉さんもどう?」


 姉さんも今日は白のブラウスなので、紺のキャミワンピは合うと思いますよ。これ冬だと下にニット系を着ておけば・・・んーまぁちょっとだけ着膨れしそうですけど合うんじゃないでしょうか。


「おーけぃ」


 姉さんがわたしの入っていた試着室に入っていく。


「どう?」


 意外と早い着替え時間で姉さんが試着室から出てきた。


「似合ってる」


 普通に似合ってる。

 わたしは今日は白のタートルネックだけど、姉さんみたいにブラウスでも紺のキャミワンピは似合いそう。


「二人共ペアルックやん」

「どう?」


 一緒に来ていた伊佐美さんがわたし達をほうほうと言いながら見てくる。


「普通に似合っとるな。買うん?」

「んー」


 正直夏と秋用の服はあるんですよねぇ・・・


「ペアルック買おうか!!買ったげる」


 ん? 姉さん買ってくれるんですか? ならお願いします。貰えるものは貰う主義です。



 *



「リンちゃん次これ着てみ」


 会計のために着ていたキャミワンピは脱いでカゴに入れ、次の服を物色していると伊佐美さんがマイクロミニスカートを持ってきた。


「嫌」


 ミニスカは嫌です。着れなくはないですけどね。ただわたしの趣味じゃないんですよ。

 それに伊佐美さんが持ってるのをわたしが着たら相当短いですよね。そこまで露出高いのは着るのも見るのも苦手です。


「伊佐美さんが着たら良い」

「えっうちには似合わんって、あっちょっ」


 そう言わずに、試着室へゴー!!伊佐美さんを試着室に押し込む。

 人に着せようとするものを自分が着れないというのはどういうことですかねぇー、まぁ着てくれたら着てあげなくもないですよ? 絶対買いませんけど。


「リンさん・・・こういったショップに慣れてます?」


 今までショップの隅っこの方でわたし達を呆然と眺めていたアカネちゃんがわたしに聞いてきた。今ショップに来ている理由って実は普段着が地味なアカネちゃんの普段着を買いに来たんですよね。姉さんと一緒に服選んでましたけど、本来はわたしはただの運転手です。


「まぁ慣れてる」


 伊達に数年リンをやってるわけじゃないですよ。わたしネットで服はあまり買いませんし、ほとんどショップで買ってますから、姉さんか母さんとショップに行って、こういったファッションショーもどきは何度もしたことがある。

 リンを始めてから家族とのスキンシップというよりこう一緒に出かけるのが増えたのは喜んでいいのかどうなのかって感じではありますけど。


「自分も楽しむことが大事」


 着てみた服で何処に行ってみようかとか、今持っている服とのアレンジを考えるのも楽しい。遥さんと出会ってからはわたしのイメージの横に遥斗か遥さんを持ってきて妄想するのもまた楽しい。


 ――ジャッ


「じゃーん!!」


 試着室のカーテンが勢いよく開き、伊佐美さんがさっきのミニスカを着て出てきた。

 想像以上に短いじゃないですか。角度次第ではパンツ見えそうですよね。流石にそれわたし着れないですよ。そんなに短かったら男とか女とか以前に女性でも着るのに躊躇する人多いんじゃないですかね。


「じゃあアカネちゃん着てみようで!!」


 ほらほらと伊佐美さんがミニスカをアカネちゃんに押し付けながら試着室に押し込んだ。



 *



「リンさん・・・」

「ん?」


 アカネちゃんが入った試着室の前で待っていると中からわたしを呼ぶ声が聞こえた。


「すみません。ちょっといいですか」

「ん。入るよ」


 少しだけカーテンをあけてさっと中に入る。中では入り口とは逆方向を向いたアカネちゃんがいる。既にミニスカは穿いているらしい。うん? なんか見える。


「こ、これなんですけど・・・」


 ふむ。

 アカネちゃんがミニスカ姿でわたしの方に振り向く。


「んんー・・・」


 マイクロミニスカートの下からアカネちゃんのパンツがはみ出している。そりゃトランクスならはみ出しますか。結構短いの渡してきてますからね。あとあれも。


「没」


 流石にそれで人前はダメだと思う。


「なにか見繕ってくる」


 フレアとかのほうがいいですよね。きっと。アカネちゃんの体型だとペンシルとかでもいいんですけど・・・人にタックを強要するつもりはないですし。



 *



「ステージ衣装以外で初めて新しい服買いました」

「へ?そうなん?」

「はい。いつもの服はナギサ姉からのお下がりなんで」


 色々貰ったんですけど、地味なのしか着てないです。とアカネちゃん。


「着ていけば?」


 多分ナギサさんも似合うだろう物を渡してると思いますし。


「そうしてみます」


 途中からアカネちゃんも着せ替えを楽しんでましたし、自分で一からコーデしてみるのも楽しいですよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ