【第137話】合コン1
――~♪~♪
「電話なってるよー赤崎君だってさ」
リビングに置いてあった俺のスマホを遥さんが、今俺がいるキッチンまで持って来てくれた。
「ありがと」
軽く手を拭いてから、通話をタップして耳にスマホを当てる。
「はい。鈴木です」
『今日の夜暇か?』
・・・早速要件か。最近電話は事務所の人としかしてなかったから、こういった単刀直入な友達同士の電話は久しぶりだ。
で、今日の夜か。
「一応あいてるけど」
仕事も入ってないし、他にも予定は特にない。
『今日合コンがあるんだが、人が足りねぇんだ!! 頼む!!』
「俺彼女いるの知ってるか?」
『知ってる!! だから呼んでんだよ』
どういうことだよ。
というかメンツ集めを当日にするのは中々にチャレンジャーなことしてんな。
『一人でも脈ナシを用意しておくことで四対四が四対三になるんだぜ』
「それ相手によるんじゃねぇかなぁ・・・」
『それは言わない約束だ。で来れるか?』
「んーまぁ、いいか。何時だ?」
『またラインで送るわ』
「了解」
電話が切れる。
「合コンだって?」
「だってよ。数合わせらしいが」
電話から漏れ聞こえていたのか、遥さんが聞いてきた。
「行ってらっしゃい」
よく聞く嫉妬とかしないのか。
「え? 佑樹が他の女子に惹かれるとでも?」
自分の方が可愛いのに? と遥さんに言われる。えーと、自分の可愛さはおいておいても遥さんがいるので他の人にうつつを抜かすつもりはありませんが。
「というか女優とも知り合いでも何も感じてないんだから、そこらへんの大学生になびくはずないじゃん」
それは、相手人妻というのもありますけどね。
「むしろもう少し女性に興味を持ってほしい気もするし、いてら」
あっ。はい。
*
集合場所にやってくるといかにも勝負服といった赤崎を含む三人組がいた。他のメンツも大学入った頃にあった懇親会で少し話した記憶のある人達だ。
「うわっまじで普段着で来た」
「お前がいつものもさいので来いって言ったんだろ」
あと正直、男物の勝負服は持ってない。リン用なら姉さんから貰ったドレスがあるけど。貰った理由がサイズが合わなくなったからって・・・多分幸せ太りだろうがな。
やるとしたらスーツでメイクだな。
「いや、鈴木はそれでいい。鈴木が本気になったら誰も勝てねぇもん」
あのイケメンには勝てねぇよ。と赤崎。
「面食いは勘弁」
*
「うわっ」
予約していた会場で女性陣を待ち、入ってきた女性陣の一人を見て、つい声を上げてしまった。
うん? と赤崎達に見られる。こっち見ないで相手の方見ておいてください。
「今日はよろしくお願いします。まずは何か飲み物頼みましょうか。食事はコースなので勝手に出てきます」
赤崎が女性陣を席に案内しながら飲み物を聞いている。
「はい。じゃぁ自己紹介から行きますか。俺は赤崎 連夜です」
「お、お願いします。木村 守です」
「い、いいい池田 智洋ですっ!!」
「鈴木 佑樹です。よろしく」
女性陣が来た途端緊張する男子側二人・・・
「辻元 瑞希です。よろしくー」
「三野 玲奈です。よろしくおねがいします」
「三木 友里恵です。今日はよろしくー」
この三人はまぁいい。
ただ・・・
「今日はよろしくお願いします。伊佐美 千佳です」
なんでここにいるんですか。伊佐美さん・・・
「伊佐美さんってたまにテレビ出てたりしませんか?」
「あー、あれ双子の姉さんです」
・・・いや、伊佐美さんに姉妹がいたって聞いたことないし、今まで呼んだことなかったことなかったけど、伊佐美さんの名前が千佳というのは知っている。名字をそのまま芸名として使っていて名前は未公表だけど、連絡先の交換したときに知ってるし。
絶対に本人だ。なんだ? 声優というのは隠したいのか?
そして俺に気がついてないよなこれ。そういや伊佐美さんと素の状態で会ったことあったっけ?
*
カシオレを飲む伊佐美さん。リンとして一緒に食べに行くときは、生のあとは焼酎飲んでるのに。
「4人はどういう繋がりなんですか?」
ちょっと気になったから聞いてみる。確か伊佐美さんの年齢は・・・おぉう寒気がっ!! いやでも姉さんと一緒だった記憶がある。
「大学のサークル仲間やね」
「先輩はもう大学生じゃないですけどね」
「それはいわんといてぇなー」
「誘われたときに丁度サークルに顔出しに来ていたので、声をかけてみたんです」
卒業しても仲がいいんだな。




