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アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学1年生
134/339

【第134話】夏季休暇3

「お疲れ様です」


 わたしはテレビ局の地下駐車場に入る時に警備の人に声をかけた。


「おっリンちゃん、大学は?」

「夏季休暇」

「あー夏休みかいいよなぁー」


 警備員さんは忙しそうですからね。夏季休暇はあるんですかね? うちの親はお盆の時期に休みがありますけど。

 警備員さんには何度か守山さんを連れてきているおかげか覚えられている。今日も守山さんをテレビ局に連れてきた。


「んじゃぁ、Fエリアが空いてるからそっちに停めてな」

「ん」


 空き情報も教えてくれてありがとうございます。



 *



「わたしが居たら送って来てるけど、普段は?」


 楽屋まで来てふと気になったから守山さんに聞いてみた。


「電車で来てます。リンさんがいると時間に余裕が出来て嬉しいです」

「マネージャーは?」

「いませんよ?」


 なんで・・・? 結構テレビに出ている守山さんにマネージャーがついてないんだろう。

 最近大学の方の家でテレビ見ていて遥さんと守山さん出てるなーと話すことも多いから相当テレビに出演していると思うんですけど。


「まぁいなくても、あまり困ってませんし?」


 スケジュール管理とかは事務の人がしてくれてます。と守山さんは、スケジュール帳から取り出したプリントをわたしに見せてくれる。結構夏季休暇中にテレビの収録に舞台にと予定一杯ですね。


「大学行けてる?」

「はい。なんとかいけてます」


 ならいいんだけど。無理そうなら言ったら調整してくれると思う。学業優先を謳っているうちの事務所なんで。



 *



 ――コンコン


「はーい。リンさん続きお願い!!」


 扉がノックされ、守山さんが返事しながら、ソシャゲが開かれたスマホをわたしに渡してくる。えーと、ちょっと待ってください。わたしもそのソシャゲしてますけど、このキャラの能力なんでしたっけ。わたし使ったこと無いキャラなんですけど!!


 扉が勢いよく開く。あれ扉を開けようとすぐ前にいたらどうなるんだろう。


「今日の撮影よろしくおねがいします。KB18の大藪(おおやぶ)です!!」


 男性のアイドルグループだ。ちなみに18人いるわけじゃない。メンバーは確か5人組で結成当時の平均年齢とのことだ。今だと平均年齢22歳とかだったと思う。たまに音楽番組で説明しているのをちらりと聞いた覚えがある。遥さんの原稿を手伝いながらだったからしっかりと今の平均年齢は覚えてないけど。


「よろしくおねがいします」


 守山さんが返事をして、


「あっ、そちらにいるのは」

「私の友達です」


 まぁマネージャーっぽいことしてますけど、マネージャーじゃないですからね。まさかの今はゲームの代役させられてますけど。

 ポチポチと一時停止をして守山さんのスマホはテーブルの上において入ってきた大藪さんに向き直る。

 わたしの基準はあてにならないと思いますけど、そこまでイケメンというわけじゃないですよね。前の音楽番組での歌は結構上手かった記憶はありますけど。


「鈴木 (りん)。今日は運転手として来てます」

「KB18の大藪(おおやぶ) 健介(けんすけ)です。よろしくねー」


 少し軽い感じの人かな?


「よろしく」


 まぁわたしが関係するようなことは無いと思いますけどね。



 *



「出演者が来れないだって!?」

「今ロケで沖縄みたいで、台風直撃で飛行機が飛ばなかったそうです」


 なぜか守山さんについてきてと言われたからスタジオまで一緒に入ると、そんな声が聞こえた。

 今日の収録は体を動かすタイプのバラエティ番組で基本的にMCを兼ねるKB18のメンバー対ゲストチームの取得ポイントで勝負する番組だ。わたしはフリスビーを撃ち落とす奴だけやりたい。


「どうすんだよ。一人足りないぞ」

「誰だよそんなスケ組んだの」

「うちの会社です・・・」


 どうやらゲストチームの方の一人が、同じテレビ局のロケで沖縄に行っていて、台風によって沖縄で足止めを食らっているらしい。そういえば台風発生というニュースは見た覚えがある。まだまだ遠かったと思うけど、沖縄には影響がすでに出ていたんですね。


「撮影日変更は?」

「すみません。それだと他の出演者のスケジュールが・・・」


 大勢の出演する番組はスケジュールあわせも大変ですよね。



 *



「すみません」

「はい?」


 スタジオの端で見学していたわたしに番組プロデューサーが声をかけてきた。なぜわたしに声をかけられたのだろうか。


「守山さんのマネージャーの方ですよね?」

「マネじゃないけど関係者」


 マネージャーじゃないです。


「あの、すみません。今から一人出演者って呼ぶこと可能でしょうか?」

「舞台関係者がいい?」

「できれば・・・」


 ふむ・・・確か沙苗さんが前からこの番組に出てみたいとか言ってた気がする。一応舞台のOBだし関係者かな。


「OBでも?」

「はい!!呼べますか?」

「向こうのスケジュール次第。確認取るから待って」

「ちなみに呼ぶ方って?」

「藤堂 沙苗」

「えっ!? あの女優の!?」


 まぁ沙苗さん結構有名な人ですからね。


「ん。個人的な友人」



 *



「リーンちゃーん」


 沙苗さんがスタジオにあらわれて真っ先にわたしのもとに来た。

 タイミングよくこのテレビ局で別の収録が終わって楽屋で帰宅準備をしていたところだったらしい。

 連絡して二つ返事もらって、番組プロデューサーと事務所の人との会話を中継しながら色々話していると直ぐに来た。フットワーク軽いですよね沙苗さん。


「お疲れ様」

「お疲れ様ー」


「出る?これ」

「出る出る!!出てみたかったの!!」

「じゃ、よろしく」

「はーい!!」



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