表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アナタの本当の姿は?  作者: kame
大学1年生
114/339

【第114話】家

「ただいま」

「おかえりー」


 大学の近くに借りた2LDKのマンションに大学から帰ってきたら、横にいる遥さんから声が返ってきた。


 えーとはい。同居してます。一応彼氏彼女の関係だから同棲になるのか?


 一人でセキュリティ万全の1Kを借りるよりも、二人でそれなりのセキュリティの広めの2LDK(風呂トイレ別)を借りたほうが一人頭は安上がりだったしな。大学からはちょっとあるけど。

 あと、大学卒業したら実家に戻る予定で家電を二人でそれぞれ買うのはもったいないという話もあって、同居になった。


 ちなみに同居は遥さんからの提案で、一応遥さんの両親に話をしに行ったときにむしろお願いしますと言われた。

 一人暮らしさせたら野垂れ死にするんじゃないかと思っていて、片道1時間半も通学に使わせるのも・・・という考えがあったらしい。


 その時初めて遥さんのお父さんと会ったけど、優しそうな人だったし、俺達のことは全面的に賛成とのことだった。引っ越しやらなんやらが遅れて入学式後の入居となったがまぁ二人で何とかやっていってる。自分たちでレンタカーでやろうとしたら中々トラックが借りれなくて遅れたんだよなぁ。

 入学式は通学方法の申請やらで車じゃなくて電車で行く必要があったが、次の日からは車で通学していた。こっちに引っ越してきたことで自転車になったが。


 懇親会でどこまで行ってるのかと聞かれたけど、あのときはまだ同棲してなかったからな。

 今だったら同棲までということになるけど、大学一年生から同棲といったらどう言われるかわからないから、そういう話をされた場合は同棲しているというのは抜きでということを事前に話している。聞かれると思ってたから先に口裏をあわせておいた。


「じゃー風呂でも沸かすかな」

「朝洗ってるよ」

「りょーかい」


 じゃぁ、オートでためようかな。一人暮らしだとシャワーで済ますかもしれないけど、二人だったら湯船にお湯を張りたい。遥さんは朝に干しておいた洗濯物を取り入れに行った。


 さて、俺は風呂沸かそう。



 *



 ――コンコン


 部屋で課題のプリントをしていると扉がノックされた。


「ん?どうした?」


 ガチャッと扉が空いて遥さんが入ってくる。既にパジャマ姿だ。もっというとパジャマ代わりのジャージにノーメイクだ。佑樹の前で取り繕ってもね。と言われてる。俺も気楽にやっていきたいから、取り繕わないというのは賛成だ。


「ソロでクエスト行けないー」

「どのクエスト?」

「これ、これ」

「あー、マルチ限定か」

「ほんとこれぼっちの人の場合どうするんだろうね?」

「SNSとかあるし、それで募集?」

「コミュ障無理じゃん」


 確かにどういった想定でこんなマルチ限定クエストを用意するんだろうか。ぼっちだっているんだぞ。今度キャラのアテレコするときに聞いてみよう。


「もうちょっと待ってて」


 もう少しで課題終わるから。



 *



 食パンにハムとチーズを乗せてトースターにセットしてコーヒーメーカーに豆と水をセットしてスイッチオン。


 夜のうちに回しておいた洗濯機から洗濯物を取り出して干していく。普通に遥さんの下着も混じっているが・・・正直、女性物の下着には何も思わない。だって俺だってリンとして着用しているときがあるし。


 今日は土曜日のいい天気だけど仕事があるから事務所に行かないと。

 大体ここから車で1時間ぐらいの距離に事務所はあって、そこから実家の方が近い。逆方向だけど。

 まぁ毎日学校に往復三時間も掛けていられないってだけで部屋を借りたけど、結局仕事があるから週末はあっちに戻るんだよなぁ。でも両親は癒やしがぁーとか言ってたけど、息子を癒やしにするんじゃねぇ。


 車は社用車を持ってきた。というより社長自ら押し付けに乗ってきたからここの駐車場に社用車がある。ロゴは綺麗に剥がされていて、痕も綺麗にされて分からない程度に薄くなっていた。

 なぜ、わたしに? と聞くと、うちの期待のホープに先行投資!!と言ってた。まぁもうそろそろ買い替え時期の車だからという理由もあるらしいけど。

 まぁ使わせてもらえるなら使わせてもらう。通勤にも使うなら税金と保険も持つよ!!とは社長談。本当に至れり尽くせりな感じだ。将来の事務所所属の外堀が埋まっていくような感じもするけど。


「おはよー」

「おは」


 遥さんが起きてきた。

 焼き上がったパンとコーヒーで二人で朝のテレビを見ながら朝食にする。


「今日仕事だっけ?」

「だねー」

「私も今日仕事だから乗せてって」

「了解」


 ご飯食べて着替えて行こうかー



 *



「リンさん。遥斗さん。おはようございます」


 車に乗り込もうとしたら同じマンションに住む大崎さんに声をかけられた。大崎さんは同じマンションに住んでいる。ここに一人暮らしというのはわたし達にとっては金額的にも悩ましいところだけど、流石は大企業の娘さんだ。しかしなんでそんな娘さんが一人暮らししているのかは知らないけど。


「おは」

「おはようございます」


 前のときにパロメロと一緒にいたのを覚えられていたのと、マンションのエントランスで何度か会ったこともあって、わたし達がこのマンションに住んでいるのは知られている。素の方は知られてないけど。


「どこか行くんですか?」

「仕事」

「あー!!そういえばリンさん。あそこの事務所所属でしたね。いってらっしゃい」

「ん。行ってきます」


 同年齢ということもあって結構話しかけられるけど、わたしが佑樹(オレ)とバレたときどうなるかなぁ・・・





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ