【第102話】文化祭1
「3年生は文化祭は自由参加になります」
夏祭りにも二人で浴衣で行ったりした夏休みが終わり、中間試験も終わり、結果の帰ってきた阿鼻叫喚の教室内で華岡先生が話す。
ちなみに夏休み終わった直後のイベントの原稿は間に合った。まぁ俺達が結局折れて手伝ったからな。出来た同人誌は貰ったけど。受験生にヘルプだした先生はどうかと思うけど、今回の試験の結果もむしろ成績上がってるしいいんだけど。
「学校に来なくてもいいんですか?」
「はい。自由です。家で勉強していてくれても構いません。ゲームするなら来て後輩の出し物に行ってあげて下さい」
私服でいいですので。と華岡先生は説明した。
「あとやりたい人がいるなら出し物をしてもいいですけど、なにかありますか?」
・・・誰も声を上げない。いいだしっぺの法則というのがあるしな。
「じゃぁうちのクラスは何もしないということで」
いやー何もしなくて楽だわーと先生。それでいいのか・・・?
「一応休憩場所か他のクラスの出し物として教室を開放するので見られたくないものは持って帰っておいて下さい」
クラスメイトが持ち込んだグラビア雑誌とかな。俺も興味がないわけではないんだが、どっちかというと写っている人より服とかメイクが気になる。
*
「確か鈴木ってウィッグ持ってたよな?」
屋上で弁当を食べていると近藤に聞かれた。
「持ってるが」
リン用のウィッグの他にも悠里用の黒髪ロングウィッグ、茶髪のウェーブのかかったセミロングのウィッグがある。最近はミディアムの長さのウィッグも欲しくなってきた。リン用はセミロングだからそれより短いのが欲しい。ウィッグをカットしてもいいけどウィッグは伸びないから長さを戻せない。だからウィッグが欲しい。
他にも安い奴なら二つほどロングのがある。リンを始めた頃に髪型に迷っていた時期に入手したウィッグだ。1年のときの文化祭で使ったのはこの安いロングのウィッグだ。
「貸してもらうことって出来るか?」
あれ? 確か普通に近藤はウィッグ持ってなかったか?
というか何に使うんだよ。
「えーとね。うちのクラスで文化祭でまた異装喫茶をやるんだけど」
一年でやったやつをもう一回するのか。
「ウィッグが全体的に足らないからかき集めてる所なの」
ふむ。別にもう使ってないウィッグだから貸すのは全然構わない。
「おーけー、明日にでも持ってくるわ」
「「お願いします」」
*
二つもあるの!?と驚かれつつもウィッグを渡して、数日経ち文化祭当日。開場前に俺は近藤に近藤のクラスへ呼ばれた。
そこには女子制服やメイド服を来た男子が・・・
「どうしても俺だとメイクがうまく行かなくて・・・」
あぁ・・・自分にするのと人にするのとで少し違うからな。それに何人にもしてたらそれぞれで化粧のノリが違うから混乱してくるし。
受験勉強の為に文化祭に参加しないという人もいるが、近藤のクラスはほぼ参加なんだな。うちのクラスはどれだけの人が来るかもわからないが。
「んー、ここは少し明るめのチーク入れて・・・こっちの人はアイライナーで目を少し強調」
俺は手を出さない。だって休憩の入れ替わりで呼ばれたくないし。覚えてもらうのが一番だ。メイクは近藤にしてもらう。
「おぉっ、おぉっ!!」
それだけで一気に印象の変わった人らが感嘆の声をあげた。
そうそうそんな調子でメイクしていってくださいな。
*
「先生・・・コレなんですか」
近藤のクラスへのメイク講座を終えて教室に戻る途中で華岡先生にちょいちょいと呼ばれた部屋にあったのは、女子制服だった。
「えっ?着替えて?」
「何故に?」
本当になんで学校で女装させられるのか分からない。
メイク道具もウィッグも無いんですけど。
「これこれ」
先生は机に置かれていた用紙を一枚見せてくる。なんですか?
『突発企画!!校内女装・男装コンテスト!!』
・・・まさかウチの学校でそんな事をするとは思ってなかった。
それにしても突発?
「ちょっと予定していたバンドのステージがなくなってその穴埋めね。で、教師が参加者を集めてるってところ」
リンちゃんなら優勝間違いなし!!と先生。
「嫌ですよ」
リンを女装男子としてステージに出すつもりは無いです。それなりにリンは有名なんですから。
「そういうと思って!!飯島さん!!」
「はい!!」
ガラッと扉を開けて入ってきたのは遥さん。手には鞄。そして鞄の中身を見せられる。そこには携帯メイクポーチと見覚えのある茶髪のウィッグが入っていた。
メイクポーチは遥さんのだけど、茶髪ウィッグは見覚えがあるんですけど。
「佑樹のお母さんから借りてきたの」
話したらノリノリで貸してくれたよ?と写真頂戴ねーとは言われたけど。おぉう外堀から埋めてきたか・・・
投稿話数が100話超えたら管理画面ページングされるんですね。。。一瞬どこいった?と焦りました。




