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「それに、蒼空さんが話しているのは中二病ではありません。事実の話です」


「事実ぅ?」


かちゃかちゃと音を立てながら、お茶を注ぐ叶人は唇をひん曲げた。因みにお茶は紅茶である。


「事実、ではありません。小説の内容ですね、かなり古いんですが。長編小説なんです。作者は確か……」


「……アリス=ラスベルだ!これはペンネームだったか?どっちでもいい!お前だけだ、知ってるのは!嬉しいぞぉ!!」


「ありがとうございます。私も蒼空さんが初めてです」


「へぇ~。俺も読んでみようかな」


どうぞ、とティーカップを差し出し呟く。本はあまり読まないのだが、目の前で語る二人の内容からはとても面白そうだと感じた。


「じゃなくて、蒼空くん、いうことあるでしょ」


「あぁ、そうだった!ここのルールだな」


「ルール……?」


「あぁ、そのシェアハウスのルールだ」




魔王討伐連合軍本部シェアハウスルールー


・住民は朝の6時までには起きましょう。


・昼には必ずお弁当を、夜は用事がない限りシェアハウスで食べましょう。


・じしつの掃除をこまめにしましょう。一ヶ月に一回の見回りがあります。


・リビングやキッチンなど、皆で使うものは綺麗にしましょう。


・家が恋しくなったら帰っても良いです。


・皆で仲良く楽しく過ごしましょう。バーベキューにも参加しましょう。


・ミッシェル=ゼウス=オリュムポスには情報を漏らさないように。




「最後のは置いといて……このルールは守っておいてね!っと言っても、最後から二つも守られてないような気がするけど」


「え、何でですか?」


「仲が悪いのもいるからね、ここは独特なんだよなー。皆が皆、“訳あり”だからね。一見はバカでアホそうに見えても、性格が歪んでるのも、“訳あり”が関連してると考えてね。それにあまり、深入りしないことかな。深入りされるのを嫌う人もいるからね。まあ、仲良くしたいならこれを守っ」


「無理ですね、私には。いえ、私の瞳には難しいことですから」


桜花は言葉を遮ると、左目に手を当て、微笑んだ。優しくて周りの緊張を溶かしてしまう笑みだった。


「私の左目は独特で……硝子・・なんですよね」


何もかも透かして見えてしまうんです、と部屋を案内されながら向かう。桜花の部屋は奥から二番目だった。


「でも私自身も深入りを望んでいないんです。……卑怯ですよね」


「……………」


「貴方の世界はモノクロです、それに私は貴方が___嫌いです」



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