ハリセン悩んだ末の放棄……
おまたせ?致しました。
まぁ待ってる方なんてほとんど居ませんけどねww
どうしたもんかのぅ
今わしは大変困っている。
なんせくろの食事量が一向に安定しない。
普通ならわしと3日も過ごせばある程度安定するんだが、どういう訳かくろにはその兆候が見られない。
もしや妖力と霊力だけでなく魔力も混ぜ合わせて構成をし直し、調整をしてやらんと安定せんのか?
もしそうなら一度様子を見がてら向こうに渡らにゃならんな。
いやはや、やることが多いのぅ。まだまだ廻らにゃならん魂があると云うに。
さて、どうしたもんか。
「ハリ?今日も料理する?するなら手伝っていい?」
物思いにふけっている所に声がかかる
「あぁ、もうそんな時間か。それより王、花梨と連絡とれてるか?最近よく俺の所に連絡してくるんだが」
途端にションボリしだす市川染五郎似の厳つい男
「とれてない。だって繋がらないし、メールは返ってきちゃうし、今どこを移動してるかも分からないから此方からは連絡とりようがなくて……」
「大の男がウジウジするなといつも言ってるだろう?花梨から伝言だ、『携帯端末壊しちゃった☆新しく買ったけどまだ設定してないから、連絡とれないけど泣かないでね♪』だとよ。全く、お前らくらいだよ。俺を躊躇なく使うのは。」
「そんなことは…………」
「あるだろう。全くいい大人の男が女々しいったらない。花梨も育ての親の手を煩わせおって、付き合いきれん。あぁ、俺は少し地球を離れる。戻ってきても暫くは顔を出せんから花梨のことは自分でどうにかしろ。」
「ふえ?そんなこと言わずに助けてく「やなこった。たまにはお前らだけでどうにかしろ。付き合いきれんし、俺も仕事が詰まってる。」………はい。」
しょぼんとした王をちらりと見た後キッチンに向かい料理を始める
クロの為の分と王の分の料理を
作っている最中、王がキッチンに入ってきた
「…………ハリ、手伝っていい?」
横目で王を見たが女々しい男の顔でなく、料理人の顔をしていたので許可を出してやるとしよう
「サロン付けて手ェ洗え。準備出来たら補助に入れ。」
「はいっ!直ぐに準備しますっ。」
ぱぁっと顔を綻ばせ準備し始めた
こんなに素直にしていたら可愛げがあるのに、何時もの女々しい時はひたすらウザいだけだな
「まず木耳を粗切り、それからパプリカ、ピーマン、筍、白滝、蓮根、ニラ、青ネギをみじん切り。それが出来たら声かけろ。」
「はいっ。量はどうしますか?」
手洗いなどの準備を終わらせた王が質問をしてくる
それに少し悩んだ物の、暫くは向こうで生活しなくてはいけない
取り敢えず50人前分位の材料を揃えてあるから、15人前分位でいいか……
「木耳は3袋、パプリカとピーマンは20個、筍は3つ、白滝は5袋、ニラと青ネギは4束、蓮根は一本丸々。わかったか?」
「はい。メモりました。今から作業入ります。」
「あぁ、ミスるなよ?ミス一回につき罰与えるから。」
「わかってます。ハリの罰はキツイんでミスれませんよ。」
「俺の罰がなくてもこれぐらいでミスんな。オーナーシェフの肩書きがなくぞ?それにどの世界も弱肉強食。隙を見せたら下克上なんてザラだ。」
「はいっ!」
「忘れるなよ?お前は俺が育て上げた料理人だ。いつ迄も下にいないで上に駆け上がれ。どうせなら上でその時に出来る一番満足行く物を作って死んでこい。それが出来ないならお前は俺の弟子じゃねぇ。」
「はいっ!やり切って見せますっ!」
「上等。」
それから1時間半程で予定していたより25人前も多く作れた
これなら暫くは持ちそうで安心する
「ふむ、予定より多くなったがこれぐらいなら入るだろう」
「入る?そういえば何時もどうやって持ち運びしてるの?」
「あぁ、ちょっとばかし特殊な道具を使っているのさ。それより王、お前の分はなにがいい?和食か?それともイタリアンとかポルトガル料理とかがいいか?」
「へ?今作った中にオレの分はないんですか?」
「間抜けな声出すな。これは俺のも入っているが主に俺の連れのだ。お前のはこれから作る」
「はへー、和食もいいですけどタイ料理とかも食べたいです。」
タイ料理か
めんどくさいから何ヶ国かの料理を1週間分ずつ位作って冷凍しとくか
「わかった、作ったら冷凍しておくから少しずつ食べろ。」
「はーい。」
「さて、そろそろ着替えて仕事に行け。もう直ぐ買い出しの時間だろう」
「あ。ホントだ。着替えは向こうにもあるから、このままで大丈夫ー。なのでこのまま行ってきまーす!あ、ハリも気を付けて行ってらっしゃーい!帰って来るの待ってる〜」
「はいはい、さっさと行け。戸締りはいつも通りしておくから。」
「はーーい!ありがとーでーす!」
「全く、いつ迄も子供みたいなやつだな。さて、王の分を作ったらクロを起こしてあちらに行かねばな。」
「クロ、起きなさい。お出かけしますよ。」
向こうに行く前にクロを専用のカバンから外に出し起こす為に声をかける
「きゅぴー、きゅぴー、きゅぴー・・・・・くぅううん・・」
一体なんの夢を見てるのか知らんが起きる気配が微塵もない
どうしてくれようか。
「仕方ない子ですね、向こうでの仕事が終わってから起こすとしましょう」
小さく溜息をつき、クロをカバンに戻す
その際に術式を掛ける事も忘れずにした
間違っても移動中や仕事中に起きてカバンから出ないようにする為に
「やれやれ、向こうに着いたらやることが増えましたねぇ。あまり時間かかるようなら従魔達に仕事を手伝わせることにしましょう。」
[マスタ、その子にあまあま?その子はナカマになるの?ほごしてるだけなの?]
どこからともなく幼い子供のような声が話しかけてくる
「おや、マリシャ。起きたんですか?自分から起きて来るなんて久々ですねぇ。どうしました?」
さほど驚いた様子もなく淡々と会話を始めた
[マスタ、マリシャおしごとなの。リリたんがマスタをおよびなの。でもじじょうがあってチカラがつかえないから、マリシャがかわりにマスタをよびにきたのよ!マリシャはえらいのよ!]
「そうですか、では急いでリリーの所に行くとしましょうね」
[マスタ、マリシャね、マスタにほうこくあるのよ!ルルたんがねぼけてマスタのけっかいこわしたのよ?めっしなきゃなのよ!]
「ルルシアが結界を?面倒臭い予感がしますよ。マリシャ、【変わりなさい】。急いで向こうに渡ります。」
[マスタわかったのよ!マリシャ【変わる】のよ!]
バキバキッ
みしみしっ
パキン!
ゴキゴキンッ
めきめきっ
[マスタ、マリシャ【変わった】ヨ。イツデモイケルノヨ。]
幼い喋り方は変わらないが、声だけが異質な声に変わっている
そしてまるで空想の生き物であるマンティコアに似た姿をした巨大なナニカが現れる
声はソレから発せられていた
「良い子ですね、マリシャ。さぁリリーのいる世界に行きましょう。一通り仕事を終わらせたらルルシアとお話をしなければいけませんね。」
異形のモノとなったマリシャの背へと、軽く飛び乗り溜息をつく
そんなハリエルにマリシャも通常運転で進む
[マスタ、イクノヨ。ツカマッテテナノヨ!マリシャ、ルルタントリリタンノトコマデノンストップナノヨ!]
「張り切るのは良いですが転ばないでくださいね?私はいつでも良いので好きに【走りなさい】。」
[リョウカイナノヨ!]
返事をするや否や、1秒後にはトップスピードで走り始めた
ツッコミ不在。
更にキャラが増えます。でも覚えなくてもおkです。
作者も覚える気ないんで。←