主神と主人公。別名アホの子といじめっ子
-------------ある世界と世界の狭間----------
一人の神がクリスタルウィンドウと言われる機械を操作していた
「うーん。これでどうかな〜?んー、うん。これが限界かな?」
ブツブツ呟きながら頭を左右に揺らしていたが、ピタッと頭の動きを止め頷いた
「うんうん。これでハリューに伝えて、導きをして貰えばいいかな?ハリューに頼むと早くて確実だな〜。」
独り言を呟きながら伸びをして、体の凝りを解す
「ハリューさんハリューさん。依頼したいことがるからちょこっとお話ししましょー?」
虚空に向け話しかける神
「呼びました?何か用ですか?ていうか呼ばないでください。鬱陶しいんで。それと次ハリューって言ったらはっ倒しますよ?そんなに殴られたいんですか?」
少しして、虚空に直径60cm程の鏡が浮き出て来た
その中には年齢も性別もわからぬが美しくそして鋭い雰囲気を放つ者が映っていた
「用があったから呼んだんだよ?鬱陶しいって……、これでも主神なんて役職ついてるんですけど……。もうちょっとこう、 フリでもいいから敬おうよ……。」
「フリでも嫌ですね。別にあんたは自分の主じゃないんで。目の前で消されようとどうでも良いです。」
間を置かずにキツイ言葉を発する人物に神もタジタジだ
「毎度のことだけどそんなにズバッと言わなくても良いのに……。今ので僕のライフ、半分切っちゃうよ?」
弱い神だな、おい
「そうですか。よかったですね、そのままライフなくなってしまえばいいんじゃないですか?」
どこまでも冷たい人物だ
「すみませんごめんなさい申し訳ありませんでした。謝るんでやめてください。僕の依頼受けてください。」
泣きながら必死に頭を下げる神
威厳も何もありはしない
「面倒ですね。まぁ、主から依頼は受けるように言われてるんで良いですよ。早く言ってください。うざったいんで。」
心底、面倒臭そうに言う人物
「いや、あの、ですね?ちょっとこのままだと壊れる世界があるんですけど、干渉してもらえないかなぁって………。転生させる権限もつけておくし………。え、えへ………?」
恐る恐るといった感じに伝える神
「はい?馬鹿なんですか?いくら何でも神の領分である世界に干渉をしろと?許可があるとはいえ我の独断で転生も込みで?そう、言ってます?お仕置きされたいんですか?あなたは」
丁寧な言葉を使っているようで使ってない言葉で主神を追い詰める人物
「ひぃぃいいいいっ!!ぼ、ぼぼ、ぼ、ぼ僕は、しょっしょっ初代様に許可もら、った時にきぃ、きき、き君一人にややや、や、やらせるなら許可してやるって、いいいいい、い、い、い言われ、たから、ここ、ここここうし、ておおおおおお、お、お願いしてる、んだっっっっ」
どもりながらも反論する神
「主が?…ふむ、そういう事なら良いですよ。受けてあげましょう。ただし、この件で他の神達が干渉してくるようなら容赦無く、排除しますからね?なのでそちらで徹底してくださいね?異論などは受け付けませんから。」
主の意向と聞き、依頼を受ける事にしたようだが、釘はさす
「そ、それは良かった!それじゃ早速だけど、データと力の一部を送るから直ぐにでも取り掛かってくれると助かります!」
ホッとしつつも、早く会話を終わらせようと話を進める神
「報酬は初代様から渡されるとの事なんでよろしくお願いしますね!それじゃまた!」
「些か気に障りますが良いでしょう。では、また」
神の気持ちが伝わったのか、はたまた別の思惑があってか、虚空に消える人物
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………。怖かった………。いくらなんでも神と同等の力を与えた一族を創り出すとか初代様はなにしてんですか………。しかも今の族長と神子が同一人物で更に初代様が一番力を込めて凝った作りにしたとか、、、恐怖以外の何物でもない………。」
神のいう初代様は先程の人物の主である
初代が自分と同等かそれに近い力を持った者と遊ぶため(もといお世話してもらうため)に創り出したのが審闇族であった
その中で特に凝った作りにして、どの個体よりも力を込め一番初めに造ったのが先ほどの人物である
その為、審闇族では寿命はあってないようなものであり、個体の持つ力によっては上級神と同等の力を平然と使うものがいる
ただし、族長と神子は別格であった
族長は一族で二番目に力の強いものがなり、神子は族長よりも強いものがなり神との仕事などの交渉を行い、主の意向を一族に伝えるものである
しかし、先程の人物は本来ならそれに当てはまらないのだが、新しく族長と神子が決まるまで兼任している
理由は簡単
先程の者は主の補佐や身の回りのお世話の為に作られたが、他の者達はそうではなかった
その為他の者達との力量が違い過ぎるのだ
それ故に族長や神子といった役割を担う事がなかったのだが、初めの頃に造られた他の者達の殆どが何かしらの依頼で死んでしまった為に、後生に造られた者達の育成が滞っていたためである
しかし、大分育成が終わったところだったのと、主からの依頼だったという事からあっさりと後輩に役割を渡し、依頼に専念する人物であった
人物はこの依頼がきっかけで審闇族とは疎遠になり、後輩に恨み言を言われる事になるのだが本人はどこ吹く風である
そして依頼をこなしつつ、自由気ままに動く人物であった
6/6 改稿