表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おにぎり積み木崩し

作者: フィーカス

 ツイッターお題小説。「夕焼けの見える駅のホーム が舞台で『積み木』が出てくるご飯を食べる話を5ツイート以内で書け」。

 ちょっと字数が足りなかったので加筆。

 ローカル線の閑散とした無人駅は、かろうじて雨除けのあるベンチに、頼りない街灯、ぼろぼろになった駅の標識と言ったものしかない、寂しい島式のホームだった。

 夕焼けでオレンジ色に染まるベンチでは、若い母親と男の子の親子が、二人でそろって次の普通電車を待っていた。

「おなか減ったね、早いけど、ごはん食べようか」

 母親のアサミは、持っていたハンドバッグから、コンビニで買ってきたおにぎりをいくつか取り出した。

「うん、食べる」

 アサミの息子のケイタは、取り出したおにぎりを一カ所に集めた。

「どれにしようかな……そうだ」

 そういうと、ケイタはおにぎりを、一つずつ積み始めた。

「ケイタ、何やってるの?」

 五つすべて積みあがったところで、アサミはケイタに聞いた。

「えっとね、ここからおにぎりをとって、くずれなかったら、たべられるの」

「え、何それ、積み木崩し?」

「じゃあ僕からね」

 そういうと、ケイタは真ん中のおにぎりを引き抜こうとした。が、上の方が崩れてしまった。

「あら、残念」

 崩れたおにぎりを積み直し、「つぎはママのばんだよ」と言う。

「どこからでもいいの?」とアサミが尋ねると、「どこからでもいいよ」とケイタは返した。

「じゃあ」とアサミが言うと、おにぎり積み木の一番上をつかんだ。

「え、ママ、ずるい!」

「どこからでもいいって言ったじゃない」

「えー、じゃあぼくもー!」

 そういって、ケイタは上からおにぎりを一つつかんだ。


 結局アサミが三つ、ケイタが二つのおにぎりを手に取っていた。

「ママのほうが多いね」

「そうね」

 そういいながらおにぎりの袋を取ると、きれいな夕焼けが目の前に広がっていた。

「夕焼けがきれいね」

「うん」

 二人がおにぎりをほおばって夕焼けに見とれていると、待っていた電車がやってきた。

 たまには、のんびりした話を書きたくなるものです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ