不死殺し
俺は上空を浮遊する不死鳥に向かい跳んだ。
背中に刺した魔剣を鞘から抜き不死鳥の首元を力一杯斬りつけた。
「おおおおおおおりゃッ!!」
手応えはあった。
この感触は肉だけじゃない。
俺の剣は不死鳥の肉を裂き、背骨と肋骨を砕いた。
そのままくるくると体を縦回転させながら地面に着地した。
「…………どうだッ!?」
「ダメね…あの程度じゃダメージにもならないわ」
ラミカは俺の隣でそう言った。
ラミカの言った通り、不死鳥の傷口は燃え上がり何事もなかったかのように再生した。
「なんだよあれ…あんなのチートじゃねえかよ!!」
炎とともに回復する不死の鳥…なるほど話通りだな。
「じゃあこれならどうかな?」
俺は魔剣を握る両手に魔力を集め、不死鳥に斬撃を飛ばす。
「ハアアアア『魔剣飛斬撃破』!!」
俺は魔力を込めた黒い斬撃をフェニックスに飛ばした。
ドオオオオオオウウウン!!!!
俺の斬撃がフェニックスに直撃し、けたたましい轟音とともに衝撃の余波がこちらまで届く。
「これは凄い威力だね、もしかして倒したんじゃない!?」
フェニックスは斬撃を受け、地面に落下した。
だが、奴の魔力は消えていない。
つまり、まだ倒せていないということだ。
「おいおいマジかよ、あの一撃を受けてまだ生きてんのかよ!? マジでどうやって倒すんだよ」
俺の攻撃では、結局不死鳥を倒すことはできなかった。
でもこの攻撃は無駄ではなかった。
不死鳥が俺の攻撃をくらった2回とも、攻撃が当たった瞬間魔力が急激に低下した。
つまり、魔力を自己回復の方に回したってことだ。
なら、奴の魔力でも回復できないくらいのダメージを与え続ければいい。
「おいラミカ、俺とお前が力を合わせれば、このダンジョンをクリアできるぜ」
「それは本当かいマオくん!? それで、どんな方法だい?」
「二人で目一杯の攻撃をこれでもかとお見舞いする」
「………は? それだけ?」
「ああ! それだけだ!! それじゃあ散会!!」
「ちょっちょっと!! 説明不足にもほどがあるよ!!」
『魔力解放・魔装展開』
魔王の姿に戻り、俺は魔剣に魔力を込め始めた。
「ラミカー!! ちょっとこいつを引きつけておいてくれ。この技はチカラを貯めるのに時間がかかる」
「どうしてそう私にばかり損な役回りを押し付けるんだ!? この外道」
待ってろよフェニックス、『コイツ』をくらったが最後、お前の負けだ!!
マオを探しにケイトとフォレスそして騎士団一行はダ
ンジョンに入っていた。
「だいぶ進んできたから魔物のレベルは上がってるし数も増えてきてるわ。気をつけてねみんな!!」
と言いつつ、前方からくる魔物を全て一掃しながら前へと進むケイト。
「はあ…気をつけろと言われても、貴女が全て倒しているので気をつけるも何も……」
「万が一よ、もしもあんたたちが私が取り逃がした魔物の攻撃で負傷しても責任負えないもの」
「大丈夫だよケイト、君が取り逃がした魔物は僕がしっかり処理するからさ。気にせず進めばいい」
ゴゴゴゴゴゴゴッ!!
順調にダンジョンを進むケイト一行を、突然の揺れが襲った。
「なんだこれは、地震か!?」
慌てる騎士団の面々、しかしケイトとフォレスは至って冷静である。
「この魔力はマオの、てことはもうボスと戦っているということか?」
「マオとボスの他に、大きな魔力が一つあるね。この感じからして人間の魔力だ」
「急ごう、マオはもうすぐ先にいる」




