バイト
・採掘アルバイト3時間 500G。
・モンスター討伐(モンスターの種は限定しない) 一体につき100G
・旅館アルバイト8時間 1000G
・火炎のダンジョン攻略(ダンジョン入場には一人3000Gが必要) 攻略者には150000G(挑戦者の命は保障しない) ダンジョン攻略難度B
街の掲示板にはこの四つの仕事依頼が書いていた。
求人コーナーか…てか選択肢少なすぎだろ。
その四つの中でも、一際目を引くのはやはり『ダンジョン攻略』の依頼である。
「ここにもダンジョンあんのか?」
「この世界には100にものぼる数のダンジョンがあるのよ。ダンジョンは一つひとつ攻略の難度が記されているわ。一番上の難度がS、下にA、B、Cとなって、一番下の難度がFとなっているわね」
「なるほどな…ちなみに、フォレスのダンジョンの難易度は?」
ダンジョンは一度経験したが、それでもまだ一度だけだ。
フォレスのダンジョンがどれほどの難度だったのか、それが基準になるだろう。
「僕のダンジョンは確かDだったかな。べつにそこまで強いモンスターがいたわけじゃないしね」
なるほど、あのレベルがDか…。
「じゃあ、難度Bはフォレスのダンジョンより少し難しくなったくらいか?」
「っは、考えが甘いわねあんたは。ダンジョンの難度が二つも違えばレベルの桁が違うわよ」
「そ、そうなのか!!」
レベルの桁が違うって、そんなに違うのか。
「まあでも、面白そうじゃねえか!! 敵は強いほどワクワクしておもしろい」
「おもしろいじゃなくて、そもそも私たちにはそのダンジョンに入るためのお金もないじゃない」
「……そうでした」
そうだった、金が無いんだった。
ダンジョンに入るには一人3000Gが必要、今の俺たちにそんな金は無い。
「ねえねえケイト、じゃあアルバイトをしてお金をつくればいいんじゃないかな? どのみちお金は必要なんだし、かといって10000Gぽっちじゃあ長くは続かないだろうし。そう考えれば、今ダンジョンを攻略して150000Gを稼いだ方がいいんじゃないかな?」
フォレスのくせに、珍しく気の利いたこと言いやがった。
「んーそれもそうね。じゃあひとまず3000Gを稼いで、マオにダンジョンに入ってもらうわ」
「…は? 俺一人かよ。三人で行った方が確実だろう」
ケイトがジト目でこちらを見てきた。
「そもそも、金が無いのはなんでだっけ? 格好つけて村に金品全部置いてきたバカは誰だっけ? 言ってごらん、ほら言ってごらん。誰のせいなんだっけ?」
皮肉を込めて、そう言ってきたケイト。
「…ごめんなさい、私のせいです」
としか言いようがなかった。
「解かればいいわ。じゃあダンジョン攻略はマオで決定ね。それでバイトの方だけど、採掘のアルバイトで500G、旅館のアルバイトで1000G、モンスターは一体で100Gだから十五体討伐して1500Gで、これの合計がちょうど3000Gね」
今の話を聞いて、モンスターの討伐依頼が他二つよりキツイと思ったのは気のせいだろうか。
そして、なぜか嫌な予感がするのは俺だけだろうか。
「モンスター討伐はマオがやるとして、私たちは残り二つをしましょ」
やっぱり…こうなるか…ハァ。
「ちょっと待て!! なんで俺が」
「なんでって…一番キツイからに決まってんでしょ」
コイツ、きっぱり言いやがった。
「まさか、嫌だとか言わないわよね…マオ」
ケイトの殺気がヤバい、断ったら殺される。そう思った。
「…わかったよ、やればいんだろやれば!!」
「そう、やればいいのよ、やれば。じゃあヨロシクね」
今思い返すと、自分の善人とも言える行動が妬ましいぜまったく。
こうして、俺は一番辛い仕事をする羽目になった。




