16-7
「優莉!? あ、あれ? 俺……優莉にケータイの番号教えたっけ?」
「えっと、その……三浦先輩が教えてくれて」
「なっ!! ……ったく、瞬のやつ!」
「あ、あの! ……ごめんなさい! 勝手に番号教えてもらっちゃって。それに、いきなり電話しちゃって」
「い、いや、それは別にいいんだ。どうせ瞬のやつが勝手に持ち掛けてきたんだろ? 優莉が謝る必要なんてないよ」
「で、でも……」
「あ~……その、俺は嬉しいぞ! 優莉が電話掛けてきてくれて。何ていうか、その……。あ~もぅ! 俺は何が言いたいんだよ!! ……ゴメン、何かビックリしちゃって何話したらいいのかわかんないや」
電話越しの、高丘先輩の声。その声からは、驚きと焦りの色が窺えた。……でも、けして嫌そうな声ではない……と思う。
高丘先輩本人が『嬉しい』って言ってくれたんだから、きっとその通りなんだと思う。……そう、思いたい。
……って、それはいいとして、これから何を話せばいいんだろう? ――どうしよう! 私、全然何話すか考えてない!!
「……………」
――当然のように訪れる、沈黙のとき。
どうしよう。何か話さなきゃ! 何か……何か話題探さなきゃ!!
……でも、焦れば焦るほどまともに考えることができなくなって、少しも良い案が浮かんでこない。
勢い任せに電話しちゃって……もぅ、私のバカっ!!
そんなことを混乱しながら思っていたとき、再び電話越しに高丘先輩の声が聞こえてきた。
「――優莉さぁ」
「は、はいっ!」
「その……いきなりこんなこと聞くのもどうかと思うけど、俺……優莉に迷惑掛けちゃってるよな」
「………えっ?」
「ほら、この前学校で色々……あっただろ? 正直俺はあまり自覚ないんだけど、あれって俺のせいなんだろ? 環は気を使ってくれてたけど」
言われたことを瞬時に理解することができなくて、すぐに返答することができない。
この前学校であったこと……。あっ、机の上とか下駄箱の中に変なルーズリーフ入れられた……あれのことかな。
確かにあれは、高丘先輩が原因といえば、それはそれで間違いではない。でも……。
「あの、諸岡先輩も言ってましたけど、あれは高丘先輩が悪いわけじゃないですよ。……私も、高丘先輩が私にしてくれたことが間違ってるだなんて、少しも思わないですもん」
「優莉……」
「だから、そのことは本当に心配しないでください。大丈夫……ですから」
「……………」
うん。心配してくれるのは嬉しいけど、やっぱり……私のせいで高丘先輩が落ち込んだりするのは嫌だ。
高丘先輩は……学校での私の世界に、初めて明りを灯してくれた人なんだから!
――気持ちは、自然と声になって溢れ出ていた。素直な気持ちに、嘘偽りなんてあるはずがない。
「そ、それに! 私……私は、本当に嬉しかったんです。高丘先輩と友達になれて。……だから、学校であったことのせいで、高丘先輩が私と話してくれなくなる方が――その方がよっぽど嫌です!!」




