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10話 予想外 4
乗る。
「……その話念のため聞いておこう」
とアレンが突如提案した。
「んー?それはつまり、『アルモンドの勇者』の読み聞かせをご所望ってことかなー?」
今までと同じ口調ながら、少し『うたのおにいさん』のような雰囲気を醸し出すレコルトさん。
「あ、いや、そうではなく、それに出てくるドラゴンの話をして欲しくて――」
「よしよし、ちょっと待ちなよー。確か蔵書のなかに紙芝居があったからねー」
「レコルトさん!?」
「やっぱりさ、こういうのは雰囲気大事だよねー。物語自体は全部覚えているけれど、こうやって話した方がさ、君らも楽しめるだろー?」
レコルトさんは話を聞くつもりはないようだ。
そしてしばらく立ち去ったかと思うと、すぐに戻ってきてから、
「じゃあ始めるよー。『昔々――』」
と、こちらの言い分に耳を傾けることもなく、いそいそと口を動かし始めた。
……やれやれだ。




