5話 救出劇 2
ー減ー
――――目が覚めたら。
「オオオオオギィィィィィ!!!!」
燃える。
濡れる。
凍る。
「メ……メリア!?」
部屋がパンデミックだった。ドアがハンニバル。
否、部屋にメリアが飛び込んできた。
「オギ! この子は何!? 説明しなさい!!」
焔と水が相殺されるじゅうう、という音を立てながら、メリアが廊下の方を指さした。
「おはよう……オギ……」
破壊された(地面に黒いすすが残っている。何をやったんだ)ドアの向こうでオレガノが昨日の白い少女を抱えて立っていた。
その表情は読みにくいものの、明らかにメリアが手に負えず、ここまで来てしまったのは目に見えて分かる。
まずい。こういうことはたまにある。
前にもあった。確か、メリアとの“あの一件”での後始末をしていた時も。
確か先生に頼まれて、救護科の同級生の女子生徒と夜なべして仕事をした次の朝だった。
あの悲劇を(修理代は全額部屋の使用者が払う)繰り返すわけにはいかない……!!
だがどうする!?
「……そうだ! アレン、昨日のことをメリアに説め……」
ベッドは、もぬけの殻だった。
あ、あいつ……!
「あの野郎! 逃げたな!」
見ると、シーツの上にメモが一枚。
『頑張りなよ、オギ』
ちくしょおおおおおおおおおお!!
「オレガノ!!」
どうにか自体を終息しようと唯一の関係者に声をかける。
「……とりあえず、オギも関係してるから……メリアに、オギが何かしでかしたら連絡頂戴って、云われてて……」
お前のせいか。
「オギ、説明を要求するわ! パートナーとして!」
仁王立ちのメリア。
左には水。
右には焔。
「いや、これには俺にもよく解らない事情がだな、メリア。……聞いてる!?」
「詠唱魔法……魔力調整:肉体が壊れない程度に……火よ、水よ、我が手の中でワルツを踊れ!!!!」
……ああ。
とばっちりだ。
目の前が真っ暗に染まった。
――――――――――――――――――――――――――――――
「ごめんなさい!!」
救護科のベッドの前でメリアが深々と頭を下げる。
「いや、もういいよ……」
夕方には救護科棟も出られそうだしな。
「べ、別に、分かってたわよ、オギがそんな、私に黙って……」
言い訳をするメリアを横目に、俺は天井を見上げた。




