4話 救出劇 1
「オレガノ、いるか!?」
急いで森を抜け、寮に戻ってオレガノに向かって叫んだ。
「……何?」
その声は真後ろから聞こえてきた。
「相変わらず心臓に悪い出方だな、とりあえず、アレンがもうすぐ来るはずだが……」
アレンは少女に響かないような走り方をしているので、少し遅れている。
その時、バンッと音を立てドアからアレンが走ってきた。
「オギ、オレガノを見つけていてくれたんだね」
「いや、呼んだらいきなり現れたっつーか……」
と、二人で話していると、オレガノがアレンに近づく。
「………………」
「オレガノ、この子がオギから聞いてる――――――――、息が、息ができなっ!!!」
オレガノはアレンの首をいきなりキリキリと絞め始めた。
「……こんな馬鹿だとは思わなかった」
「タ、タンマタンマ!! オギ、説明して、無かったのかい!?」
首を絞めるオレガノの手をタップして止める。
「オレガノ!! この子はアレンの散歩コースで倒れてた子なんだ!! 毒が回ってるってアレンが言うから、オレガノに解毒してもらおうと思ってたんだ」
「ジトー」
「いや口で目の様子を伝えられても……」
「……分かった。信じることにする。置いて、アレン」
「信じてくれて何よりだ」
そう言ってアレンは少女をとりあえずオレガノの部屋のベッドに運んだ。
オレガノの部屋は綺麗にしてあって、ほとんど無駄なものが無い感じだった。
机の上のろうそくが、すこし幻想的だった。
……メリアの部屋とは大違いだ。
「ルームメイトはいない。大丈夫……」
そしてオレガノは少女の服を脱がそうとした。
「……男は出てけ」
そう低い声で言われ、慌てて二人は部屋から出る。
「大丈夫かな」
「解毒に関してオレガノに任せれば、下手な保健委員より的確な処理をしてくれるよ」
部屋の前で待っていると、不意にオレガノが出てきた。
「結構時間がかかる……。先に帰ってて……」
それだけ言ってまたオレガノは部屋に戻った。
「じゃ、帰ろうか」
アレンは部屋の前から歩き出す。
「いいのか?」
「オレガノが帰れって言ったんだ。変えるより他はあるまい?」
アレンは部屋へ帰っていった。
「すごいなぁ、アレン」
そのまま俺も帰った。
そして、次の日。