Sweet is Ice, Ice is Love, Love is Sweet.
甘いものはアイス、冷たいアイスは恋のようで、恋は甘い。
おそらくですが、文法迷子。
こんな感じの甘いお話。
―加―
一方その頃、保健室。
「まったく、怪我しないために作った整理券制度でどうしてこんな怪我の生徒が多発するのよ、んの食いしん坊共が!!」
「そりゃまぁ、根本的な解決にはなってねぇからだろ」
喧騒の中、二人の男女が話している。
男子はアイスを握って背中に銃を、女子は白衣を着ていた。
「ったく、そんなに美味しいもんなの? 言ってもただのアイスクリームでしょ?」
「いや、あのアイスクリームを侮ると人生損するぜ? 蜂蜜の自然の甘みとアイスクリームの冷たい甘さ、その二つが決して対立することなく、互いを極めあうようにして究極の一品へとのし上がっているのさ!!」
「なんでそんな無駄に熱く語ってるのよ」
「なら、これ食うか? つーか、今回はお前にやるために取って来たし」
男のほうが持っていたアイスを女のほうに手渡す。
「いいの? ゼロ、これ半年に一度の楽しみとか言ってたでしょ?」
「あ、気にすんなよフレシア。さっきも言ったが、手前のために今回は取ってきたんだから」
そういうとゼロは強引にフレシアに握らせた。
「……じゃ、遠慮なく」
フレシアはアイスを食べる。
「滅茶苦茶うまいわねこれ。麻薬でも入っているの?」
「だろ? 苦労して取ってきたんだから。ったく、そんな姿見せられたらこっちまで食いたくなっちまってきたじゃねえか。あーあ、あん時外に捨てるんじゃなかったぜ」
「あん時?」
「あのオギとアレンって後輩が整理券争ってたのをちょっと頂いたんだよ。ま、外に捨てたんだけどな」
「……アンタ最低ね」
「奪うよりはマシだろうが」
ウマッ、とした顔をフレシアはし続けている。
「いる?」
「……は?」
「そんな顔されたら食べにくいっての。ほら、美味しいのはわかったから、残りはアンタにあげるわよ」
目の前にフレシアがある程度食べているアイスクリームを差し出される。
「べ、別に良いって。お前食えよ。アイス好きだろ。つーかこれって……」
……間接キスじゃねえか。
その言葉はゼロの心の中でだけ言われた。
「美味しすぎて申し訳ない気持ちになったわよ。まったく……」
やれやれ、といったジェスチャーをしてフレシアはゼロの顎を掴んだ。
「黙って食え」
そのまま顎をクイッと少し引き、手に持ったアイスを口に突っ込んだ。
「もがっ、もがもが!!」
「何言ってんだか分かんないわよ。アイスはあんがと。仕事あるから戻るわ私」
フレシアはゼロにアイスを突っ込んだ後、そそくさとその場を去った。
「ったくアイツは……。照れんなら最初っからやらなきゃ良いのによ」
残されたゼロは、口からアイスをひっこ抜いた後、保健室の端でアイスを食べていた。
何か自分の中のピュア分をろ過しながら書いてる気がします。