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42話 脳有る鷹爪隠す
79話目。早いもんです。
~乗~
「拘束術式 二式」
突然、クロウの口が開いた。それと同時にキョウさんの身体が一瞬止まる。が、すぐ動き出す。
「ぜぇんだよ!!」その身体を叩き付けるようにして殴る。その刹那、クロウの腕の骨がきしみを上げたのがキョウさんの拳に伝わった。
「折れたか、老い耄れ!?」
「拘束術式 三式」
今度はキョウさんの怒号を遮るようにしてクロウが言った。
「くぁ……!!」急に身体が重くなった。
頭が醒めている事からこれはおそらく、クロウの術によるものではない、自分の身体の限界が近づいているためなのだとキョウさんは悟った。
これは早くキメちまわねぇとマズいな……!!
そしてそう確信した。