表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Not Only But Also  作者: 加減乗除
第2章 護衛編
76/106

39話 横槍が入る


 そのままの意味じゃねーンだよ


 ―除―

 クロウが右腕を振り上げる。

「拘束魔法:参式、発――」

 パァン!と、右腕が弾かれた。

 石飛礫いしつぶてが遠くから投げられたようだ。

「……遠距離まで指定はしていなかったのが仇となったか」

 そう言いながらも、余裕そうな笑みを見せ、俺たちの拘束が解けることはない。

「いやいや、あなたが何をしているのか分からなかったので、遠距離から様子を見ようとしただけですから」

 と、いつものように誰かに恩を着せるでもなく、自分を褒めるわけでもなく、事実を相手にぶつける。

 こういう喋り方をするのは――

「アレン……」

 首を向けることはできないが、このタイミングで戦いに参加できる男はこいつくらいだ。

「それにしても貴方が真犯人ですか」

「真犯人という言い方は好まんな」

「では、黒幕ということになりますね」

「だ」

 そう言って、クロウが腕を別方向に向けた。

 その瞬間にニヤリと笑った。

「俺のレベルを間違えているぞ」

 そして腕を下げると、

「が……!?」

 アレンの短い悲鳴が聞こえる。

「拘束魔法:参式、発動」

 張りつめた空気が出来上がる。

 体は持ち上がることを拒否し、重力が倍になったような感覚さえあった。

「どうなってんだ……!」

「壱式はあなた方の周りにまとわりつく、空気を。弐式はあなた方の筋肉を。参式はあなた方の血流の速度を、それぞれ拘束する。まぁ、正確に言うなら、拘束というよりは、超低速にするだけなんですよ」

 急に敬語に戻り発言をする。

 そうか。なるほど、血流が拘束されて体が重く感じているのだ。

 貧血状態が常に続いているようなものか。

「……くっそ」

「さてと、どういう理由であなた方は死にますか?」

 クロウが笑う。



 横槍が入る。

 それを直接的に表現したものを見たことがあるだろうか。

 クロウの頭蓋に向かって横やりが飛んできた。

「……」

 クロウは、静かに手を差し出して、横槍を地面に水平な状態で止めた。


「どうだろう、ここでお前も死んでみてくれよ」

「処理は私たちに任せてください」


 そう言って現れたのは、マリーさんとキョウさんだった。


 三本柱がここにそろったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ