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Not Only But Also  作者: 加減乗除
第2章 護衛編
74/106

37話 同日の論ではない

差が大きくて比較することができない。同じに扱うことができない。

の意です。

―減―

 クロウさん……いや、クロウがその鋭い瞳をこちらに向けたまま話す。


「やはりあの学院の生徒は侮れない。ふん、さすがにあやつの学院というだけはある」

 プレッシャーに押し負けている俺達に向かい、クロウが手を向ける。


「拘束魔法:壱式、発動」

「ぐっ……」


 拘束術式……。

 やはり、あのキメラを殺したのも……。

「ふ、そうだ。私は拘束術式の使い手。……無駄話は無用だ」

 身体が動かない……。


「ぐうっ……」

「から……だ、が……」

 後ろからメリアとオレガノのうめき声が聞こえる。

 二人も同じ状況にあるらしい。


「とはいえ、貴様らが消えては皆が怪しむな。とりあえず、記憶は消させてもらうぞ」


 まずい……、クロウが糸を引いていたと、屋敷の人々に知らせなければならない。

 ここであっさり負けるわけにはいかない。


 だが、どうすれば……。


「――――、―――――」

「……?」


 何だ? 声が……。


「オレガノ……」

 この声は……

「広域型……呪術式……、呪縛……」


「なに!?」

 そうつぶやいたオレガノの足元から黒い魔方陣が急速に広がり、それの範囲がクロウをも包んだ。


「よし! オレガノ、いいわ! 今度は私が……」

「止めろ、メリア」

「何でよ! オギ!」


 俺は目の前の、呪術を身に受けながら全く反応(・・・・)を見せ(・・・)ていない(・・・・)クロウを睨む。


「忘れたのか? この屋敷にあったのは、兵士や俺達だけじゃない。あの罠魔法を破ったのは誰だ?」

「あ……」


 それもおそらく、こいつ。

「オレガノの広域呪術も、解呪(・・)の前では、無意味だ」


「わたしの……呪術が効かない……!?」


「ふん、物解りの良すぎる、生意気な餓鬼どもめ」

 禍々しい呪術の魔方陣の上を悠々と歩くクロウが言う。


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