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Not Only But Also  作者: 加減乗除
第2章 護衛編
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36話 一葉落ちて天下の秋を知る

さて、いい感じの話、だと思います。

お久しぶりです、加です。

「……ほう」

 クロウさんはそう呟くと、口元をゆがめて少し笑った。


 その笑いはシオンさんに見せた優しい笑顔ではなく。


 もっと邪悪なものだった。


「一体、何が可笑おかしいんですか……」

「いや、いやいやいや。少し驚いたんですよ」

 クロウさんはそう言いながら一歩下がる。


「ただの少年かと思って、私も多少口が滑りました。さて、どうしましょう」

 両手を広げて、おどけるクロウさん。


 何なんだ。

 何なんだこの余裕は。


 一体この人は、何者なんだ。


「では一つ聞きますが、君はこのことを、どうする気ですか?」

 クロウさんが尋ねてきた。


「どうするって、そりゃあ……」

 マリーさんに、伝えないと……。


「一つ聞きますが、誰があなたのそんな話を信じるんでしょうね」

「どういう、ことですか?」

「いえいえ。あなた方はこの屋敷を守ってくれた。とはいえまだ2,3日しか経っていない。かたや私はここで何年も働き続けている。君が、クロウがおかしなことを言ったと言って、誰が信じるのか、少し疑問に思いましてね。言い訳ならまだ、色々あるのですが」

 

 ……確かに、この人なら皆を信じさせるくらい容易い気がする。 



「私は、信じるわよ?」「……信じる、アレンの親友だし」

 その声は、オギの後ろから聞こえてきた。


「メリア、オレガノ!? どうして!?」

 それはメリアとオレガノだった。


「おやおや、これは……」

 クロウさんは事の次第を見守っている。


「あなたの言葉を借りるならね、今まで私と一緒にオギは何年も居て、アンタなんか一日しか会ってないんだから!!」

 メリアはビシッと指を指す。


 いや、だからどうしてここに居るのか教えて欲しいんだが。


「……さっき私がゲルって使役キメラを潰したって言ったでしょ」

 どうやらそれはオレガノが教えてくれるらしい。


「流石に数時間で百数匹も見つけられるわけ無いでしょ? メリアに手伝ってもらってたんだけどね……。ある部屋だけ、このキメラが無かったのよ」


「それが、私の部屋というわけですか?」

 オレガノの言葉にはクロウさんが答えた。


「えぇ。そりゃ、自分の部屋を盗聴なんてするはずないものね。それに、屋敷を自由に動き回っても全く違和感が無いですしね」

 どうやらそれを聞いて、二人もクロウさんのところに来ていたのか。


「大した学生だ。シオン嬢のお友達も居るとなっては、少しまずいかもしれませんね」

 クロウさんは口ではまずい、と言いながらも笑みを浮かべる。



 次の瞬間。


「!?」


 全身の毛が逆立った。


 鳥肌、を超える。圧倒的な、動物的直感とも言えるものが、それを感じ取った。


 気迫。

 クロウさんから滲み出る、その気迫に、気圧された。


 形容するなら、人間の密度が違うと言えば良いのだろうか。


 そのクロウさんの重みに耐え切れない。

 


 どうやらそれはメリアやオレガノも感じ取っているようで、顔からは冷や汗が出ていて、顔も少し青くなっている。


「では、記憶くらいはぶっ飛んでいただきましょうか。価値も分からぬゴミ共が」


 最後の言葉はおそらく、この人の地なんだろう。


 言い放つクロウさんの目は、鋭く光っていた。

悪役ひゃっほいっ!!


一番書きやすいのは悪役です。いや本当に。

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