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7話 この世界、不条理が過ぎる事はない。
どうも、加減乗除です。
7話目です。
―乗―
直後、落下で地面へ叩き付けられる俺。
思いっ切り腰を強打した。
ーー痛っててて…
まぁ、それでも痛みはマシな方だ。メリアの張った水流が上手く緩衝材となってくれたようだ。
「サンキュー、メリ……」
「うるさいッ!!目の前の敵に集中して!!」
……俺の扱い酷くないか?
服に付いた砂利を適当に払い除けながら立つ。
そして、空を仰ぐ。
すると、渓谷の澄んだ青空に、大きな鷲のような連中が弧を描いて周回していた。
猛禽の頭蓋、獅子の胴、白銀の翼。
この合成獣の様な体躯を持つ異形の名はグリフォス。
この谷をテリトリーに、集団で狩りを行う飛行獣系の魔物の一種である。