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14話 触らぬ神に祟り無し
―乗―
だが……何故この屋敷の警護の依頼を出したのかは解らない……
「……クローバーさん」と、メリアが切り出した。
「クロウでいい」
「んじゃ……クロウ……さん?」首を傾ぐ。
「何だね?」
「何故……あなた方は警護の依頼を出されたのですか?」
「……普段、屋敷の警護は私の役目なのだがな……少し野暮用が入ったのだ」
「それはどういう……」
「……察せ」
咳払いを一つした。クロウの眼孔がメリアの言及を阻んだ。氷の様に冷たく、猛禽の様に鋭い眼差しだった。その眼力に圧されたメリアは半歩退いた。彼女の目はおびえていた。頭上のシャンデリアが開いた窓からの風で不気味に揺らいだ。
「……何かあるな……」アレンがひそりと俺に呟いた。勿論、クロウやシオンに聞こえぬように。
俺は心の中で、頷いた。