11話 焔焔に滅せずんば炎炎を若何せん
本当は『焔』は旧字体なのですが。
小さな焔の内に消さなければ、大きな炎を消すことがむずかしくなる。
まぁ、そんな話なんですよ。この物語は。
―除―
「・・・・・・留年か」
「・・・・・・大丈夫よ、オギがどんなにバカでも私は受け入れるつもりだから」
「別にバカだからこうなったんじゃない。機械がバカだった所為だ――そうだよ!機械の所為にすればいいんじゃないのか!?」
「残念だけど、機械も人間が作ったものの一部。校則にもあるけれど、機械でのトラブルは生徒の自己責任よ」
「・・・・・・」
「そんな少年、オギ君に朗報だ」
「朗報って何だよ、アレン――え」
見ると、アレンがいつの間にか現れていた。
「うぉわ!」
「君が困っているんじゃないかと思ってズバンと参上したよ」
「で、朗報って何なの?」
「うん。依頼を貰ってきた」
そう言って、RCMの依頼受注予約記録表を出した。
その紙には『A』と大きく書かれている。
そのアルファベットはミッションのランクを記している。
Dを一番下、Aより上もあるらしいが俺は見たことが無い。
「これは・・・・・・」
「オギじゃちまちま任務を行ったところで、無理だろうと判断したから大きな依頼を取り扱おうと思ってね」
「ていうか、Aランクの依頼をよく取って来れたな・・・・・・」
「ああ、それは――」
アレンは言い留まって、少し考え始めた。
「どうしたんだよ、アレン」
「・・・・・・これは、ゼロさんが取ってきた依頼でね」
「・・・・・・何・・・・・・!?」
「伝言があるよ。『バカだから単位の稼ぎ方も知らないのか?』だそうだ」
アイツ・・・・・・!!
ていうかお前はお前で単位だけしか稼いで無いだろうが!!
本当はお前だって留年のはずだろうが!!
心中で沸々とこみ上がる怒りを、依頼をもってきてくれたということで相殺しようと努力する。
「でも、Aランクの依頼でも四ヶ月分もの単位を稼げないんじゃない?」
唐突にメリアが言った。
「うん、普通は稼げないんだよ。でもこの依頼は長期型だからね」
長期型依頼。
これはどちらかというと、『長期型任務』と呼ばれる。
長期滞在、或いは長期行動を必要とする依頼はどちらかといえば、モンスター退治ではなく建物の建設などの事を指す。
「・・・・・・うーん、それでも四ヶ月分というのは・・・・・・」
メリアが相変わらず疑問の声を上げている。
が。
「今更、方法とか理由とか考えている場合じゃないんだよ!それ1つで終わるならやるしかないだろ!!」
「・・・・・・そうね。じゃあ、正式に受注しに行きましょうか」
メリアが言ったのを合図に俺とアレンも移動を始めた。
思えば、あの調教師との戦いから学園と奴らとの戦いは始まっていたのだろうけれど。
もし機械にミスがなければ――或いは、俺がきちんと単位を取っていれば――俺たちがあの戦いに参戦する事もなかったんだろう。




