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Not Only But Also  作者: 加減乗除
閑話休題
36/106

理解不能

加減乗除 36話。


初の毎日更新失敗。


土下座inディスプレイの前 ―除―

 腕を振り切って図書館を飛び出た。


「1分前だろ?だったらこの辺に居るんじゃ――」

「あのはそんな簡単に見つけられない。逃げている理由は分からないけど、私達が捜している事にはもう気付かれているはず」

 メリアはそう言って走り始める。

「私はこっちから捜す!オギは別方向からお願い」

「わ、分かった」

 何だ、アイツ。どうして、こんなしょうもないことにあんな熱血にやってんだよ・・・・・・。

 思ったが言わずに、俺はメリアとは違う方向に向かって走る。

「って言っても・・・・・・」

 俺は決して方向音痴ではないが、俺にとってはこの学校は迷路みたいなものだ。どこからどう捜していいものか分からない。

 ・・・・・・考えろ。

 分からない以上、できることでやるしか方法は無いんだから。


「・・・・・・なんでオレガノは病棟から逃げ出したんだ?」

 独り言。

 思考をはじめる。分かるかどうかはこの際関係ない。

 何か、重要な事があった。自分よりも大事な何か。

 それは恐らく生命に関すること。だって、俺と一緒に入れる奴は根は優しい奴だから。


 ・・・・・・ゼロは置いておいて。

 ということは、だ。


 俺は上を見上げた。





 屋上。開放されてはいないが、別に禁止されていない。

 夕方になり、太陽が沈み始めている。そして風が激しく吹いている。

「・・・・・・ここじゃ告白とかは出来ないな・・・・・・っと、関係ないか」

 俺は屋上の扉を閉めて、周りを見る。


「あ、居た」

 俺は隅っこでうずくまっているオレガノを見た。

「・・・・・・オギ」

「何やってんだ?こんなところで」

 俺はそう言ってオレガノに近づく。

 オレガノは俺の方に振り向いて手のひらを突き出した。

「・・・・・・?」

 その中には小さな鳥が居た。羽を怪我して飛べなくなっているようだ。

 やっぱりか・・・・・・。

「コイツが心配だったんだな?」

「・・・・・・」

「だからって何も言わず出て行くことは無いだろ」

「・・・・・・皆に迷惑掛けるから」

「既に迷惑掛かってるっての!」

 オギはそう言ってオレガノの頭を軽くチョップする。

「俺はともかく、アレンにぐらい相談しろよ。こういうときに頼れる奴だぜ?アイツは」

「・・・・・・」

「友達なんだからもっと頼っていけって、な?」

 俺はオレガノのかおを覗き込むようにして言う。

「・・・・・・分かった」

「よし、じゃあ取り敢えずソイツ持っていくか」

 そう言って俺達は屋上を後にしようとして――。

 頭上に黒い影が現れた。


「・・・・・・は?」

 空には一羽の鳥。

 だが大きさは屋上を包み込むほどだ。

「親鳥・・・・・・」

「・・・・・・気のせいか?アイツ、好戦的に見える」

「アレは、そういう鳥だから・・・・・・」

「ココには入って来れないんじゃなかったのか?」

「多分、前回の事件の残党・・・・・・」

 言った後、すぐだった。

 鳥が1度羽ばたいた。

 風圧が体を押し飛ばそうとしてくる。


 ・・・・・・やっぱり俺って呪われてるのかな。


 と、言えずじまいだった。

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