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Not Only But Also  作者: 加減乗除
第1章 侵入者戦争編
29/106

29話 世界はひっくり返されて、狂った。

どうも、加減乗除です。


書きたいところまで書いたら、前回より長くなっております。


―加―

「さっさと、終わらせる」

 ゼロは走り出すと、銃弾の一発をサラマンダーの右前足に撃ち込んだ。


「今のは魔弾じゃないね? その程度の攻撃、この強化サラマンダーに効く訳無いだろ?」

 カンパネルラが言い終わると、サラマンダーの体中の赤い光が開けた口に収束する。


「ふん」

 鼻を鳴らして、ゼロは横に飛ぶ。


 その瞬間、サラマンダーの口が火を噴いた。

 それは先ほどのような火の玉ではなく、吐息状。

 壁を貫通させるような威力は無いが、そのかわり。


「畜生!!」

 横に飛んで避けたはずのゼロは衣服についた火をはたいていた。


「今のは息吹ブレスだ。威力は火の玉(フレイムボール)に劣るがその代わりに効果範囲が広いのさ」

「解説、どうも……」

「すばしっこい狐には、火であぶるのが一番だと思ってね」


 ゼロは多少の火傷を負ってしまっていた。

 先ほどの攻撃を横に飛んだ状態、つまり無防備な状態で受けてしまったからだ。


「さって、どんどんいくよ」

 またもサラマンダーの身体が赤く燃え光り始める。


「早くきめねぇとまずそうだな」

 ゼロはそう呟くと、一気に左前足、右後足に向けて銃弾を放つ。


「魔弾は撃たない気かい? その程度じゃあサラマンダーにとってダメージでも何とも無いよ!!」

 確かにカンパネルラの言う通り、サラマンダーは呻くことも無く平然としていた。


「確かに痛みは少なさそうだな。なら、サラマンダーの動きを見てみるこった」

「何?」

 サラマンダーは呻くことも無く平然としていたが、妙な点があった。


「……、何故、動かない? お前、何かしたのか?」

 先ほどから足を少しは動かすものの、大きな移動は出来ないように見える。


「さぁな」

 ゼロは残っていた左後足にも銃弾を撃ち込んだ。


「どうしたサラマンダー!! 痛むのか!?」

「そんなんじゃねえと思うぜ?」

 カンパネルラは焦りを隠せない。


「使役魔法:神経遮断、対象はサラマンダー!!」

 焦った口調でカンパネルラは叫ぶ。

 しかし、サラマンダーが動かないのは変わらない。正確には少し動こうとはしているが。


「今のは痛覚を消す使役魔法か? 無駄無駄、そんなのは。お前言ったよな? 俺の通常弾程度じゃ痛みもダメージもほとんど無いってよ」

「だったら何だ!!」

「俺は本来、魔弾で足を破壊することだってできるんだよ。ただ、こいつはお前に使役されているだけだろう? だから、少し殺すのがはばかられてな」

「何が、言いたい?」

「前回のときは討伐が依頼だったから殺したが、お前に操られているだけなら殺す気も起こらなくてな。さっき撃っていたのはただの普通の弾さ。ただ、全部の足の関節に撃たせてもらった。正確には関節の間にな」

「そんなこと、できるはずが―――ー」

「出来るさ。現に今やった。こいつは今関節に入り込んだ銃弾がストッパーになって、全く動けないのさ」


 ゼロはカチャリと撃鉄をおこし、カンパネルラに向ける。


「色々聞かせてもらうぞ」

 とりあえず話を聞くことにするか。


「は、はは。今のが僕の全力だとでも思ったのかい?」

 だが、カンパネルラはまだ敗北を認めない。


「こうなったら見せてあげるよ。僕のとっておき、使役魔法:召喚、対象は――――――――」

 カンパネルラが魔法を言い終わる前にガンという発砲音がした。


「え?」

 その銃弾はカンパネルラの右肘より少し下辺りを直撃しており、その勢いで後ろに倒れる。


「言っておくが俺は裏切ったなんて小さいことをした奴に容赦はしない」

 ゼロは冷酷な目でそう言う。


 カンパネルラもまさか撃たれるとは思っていなかった。

 それだけに、いまだ状況をつかめずにいた。


「あ、う、撃たれた?」

 自分の血まみれになり始めている腕を見て、ようやく撃たれたことを認識する。


「一応、殺す気は無い。話を聞かないといけないからな。お前も知ってるだろうが、ここの医療レベルはかなり高いから、心配するな。腕が切られても切れ味によっては引っ付けることが出来るスーパー救護師もいるそうだからな」


 ちょっと個人的な感情に流されたかもな。

 ゼロはそう考えていた。


 学園中を混乱に巻き込みやがって――――――、そういう面ではかなり怒っていた。


「痛い」


「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」


 突如、カンパネルラは気が狂ったように叫び始めた。


「……?」

 思わずたじろぐゼロ。


「むかついたぁ!!! せっかく僕のとっておきで捕まえてあげようと思ったけど、こうなったら普通に殺す!!!」

 カンパネルラは目玉が飛び出しかねん勢いで叫びだす。


「気でも……、狂ったか?」

 正直言って気持ち悪さを隠しきれなかった。


「使役魔法を魔物にかけるためには、自分が相手よりも上位であるという認識をさせることが重要なのさ!!」


 今までのイメージをぶち壊すように語りだす。


「もちろん元から使役している魔物を使って相手を使役すれば良いけど、その元から使役する魔物がいなかったとき、どうしたと思う!!」


「これは、僕の最初の術式だ!! 使役魔法:使役、操作コントロール手動マニュアルから自動オートへ、魔力充填、対象は、自分マイン!!」


「自分を、使役!?」

 ゼロが驚いている中、カンパネルラの周りが光りだし、魔方陣が組まれる。


「設定は30秒。地獄を見せてやるさ。フォックス・F・ゼロシrha:wy」

 最後のほうの声は聞き取れないような声だった。


 ドン、と大きな音を立てカンパネルラが突っ込んでくる。その音はどうやら足を踏み込んだときの音のようだ。


「は?」

 銃を構えるよりも早く、カンパネルラはゼロに飛び込んだ。


 その瞬間、ゼロはカンパネルラに殴られた。


「……!?」

 そのまま三メートル近く吹っ飛ばされる。


「ぐはぁ!!」

 ふらつきながら前を見ると、眼前にはもうすでにカンパネルラが迫っていた。


「まず――――」

 ゼロが反応するよりも早く、カンパネルラの拳が右顔面に直撃する。


「いぎぁ!!」

 今度は5メートルほど吹っ飛ぶ。


 世界が、まわって見える。

 ゼロは今の一撃で意識を失いかけていた。


 だが、そのまま眠るわけにはいかない。


 殺される。


 決死の思いで身体を起こすが、そのときにはすでにカンパネルラは構えていた。


 ドシュ、という音が聞こえそうな勢いで指を固めた抜き手で腹を突く。


 その勢いでゼロは壁に叩きつけられた。


 ごばっ!! と音を出してゼロが吐血する。


 今のアイツは、魔力による肉体強化と、自らの肉体に掛けてあるロックを外した状態って訳か……。


 ボロボロになったゼロは不思議と落ち着き、冷静に考えていた。


 そんなゼロにカンパネルラが迫る。


 最強ながら無防備なその身体に、ゼロは銃弾を撃ち込んだ。


 それは確実に左腕を貫いたが、それでもカンパネルラは止まらない。拳をライフルで受けるが、ゴン、と音がしてライフルはくの字に曲がる。


「ば、けもの、が……」

やっぱり思うこと。

一番怒らせて怖いのは、自分が絶対に負けないと思っている自信家。

―加―

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