28話 世界は絶望をひっくり返す。
加減乗除。28話です。
引き続き『除』ですが。
矛盾というか、メチャクチャになっていた点を説明しました。
ので、文章量が多かったので間違いが多発しているでしょう
すみません。
―除―
弾丸はカンパネルラ、1人に飛んでいく。
「楽しみにしていくよ」
カンパネルラの声が届く前に、弾丸はサラマンダーの舌で受け止められた。
「・・・・・・」
使役魔法。
魔法にもいくつか種類がある。呪文詠唱、詠唱魔法、術式・・・・・・種類は様々だ。
呪文詠唱は、魔法の質量、大きさ、形に関わる場合。
詠唱魔法は、魔法のスピードや威力に関わる場合。
例えば、学年次席の女(メリアだったか?)の技で言えば水を渦に変える技や火を重ね合わせて炎にする技は形と大きさに関係するため、呪文詠唱になる。そして炎を飛ばす技ならば、スピードに関係しているため詠唱魔法となる。
術式は呪い師特有の魔法で、それは秘密にされているため明らかにはされていないが、術式を使用できる呪い師のほとんどが詠唱魔法を『詠唱』無しで唱えられる。略式魔法とは別である。略式魔法を使える者も存在するらしいが。
閑話休題。
使役魔法とは、所謂、意思疎通に近い。
使役魔法を対象者に使役した場合、使用者と対象者は意思疎通状態となり、使用者の命令に対象者は従うようにセットされる。使役者の地位――魔法や能力、肉体、精神力などの強さのことを指す――が高ければ高いほど、相手を従わせることが出来る。逆に言えば、相手より自らの地位が高くなければ相手を従わせるどころか、反逆にあったり、逆に従うことになってしまったりするのだ。
つまり。
カンパネルラの地位は、少なくともこのサラマンダーよりは高い、ということが証明される。
後はコイツが身体的に強いのかどうか・・・・・・。単に使役魔法が強いだけかもしれない――いや、どちらにしろ脅威に変わりは無いのだが。
「何やってんだか知らないけど」
カンパネルラの言葉でハッとして前を見る。
「!!」
サラマンダーが口を開いた。
思考に気を取られすぎた!
口内が赤く光る。
「くっそ!!」
狭い通路を走って逃げる。
「3、2、1」
カンパネルラがカウントダウンで俺をせかす。
「0」
俺は横道に転がる。
同時に背後から大きな炎の玉が横を通過する。
炎は壁にぶつかり、さらに新たな道を開拓した。
「あんなこともできんのかよ・・・・・・適応しやがって!!」
俺は呟いてからサラマンダーの前に飛び出して、銃を構えた。
「くらえ!」
引き金を引いてサラマンダーの額に向かって弾丸を放った。
弾速は十分。
「甘いよ」
カンパネルラはサラマンダーの舌で受け止めようとする。
が。
「!!」
弾丸は分厚い舌を貫通し、さらに額にめり込んだ。
「Gyaaaaaaaaaa!!」
「な、何だ!?」
「魔弾の威力を甘く見るなよ」
グリフォスの爪の成分を銃弾に魔法合成した弾丸。
その名も、魔弾:貫通弾『グリフォス』
「魔弾・・・・・・!?魔法コーティングもしていない銃で・・・・・・!?」
先ほどまでとは違い戸惑いを見せるカンパネルラ。
しかしすぐに元の様子――よりは真面目な雰囲気を見せる。
「・・・・・・君は殺すよりもっと道がありそうだ」
「・・・・・・」
「君は拘束させてもらう」
カンパネルラがそう言ったと同時に、サラマンダーの体が紅く燃える。
「第2ラウンドだ」
カンパネルラは言って立ち上がる。アイツは熱くないのだろうか。
「望むところだ!」
だが、こちらも燃えてきた。