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Not Only But Also  作者: 加減乗除
第1章 侵入者戦争編
26/106

26話 狐と使役とこの世界。

そうです加減乗除です。

26話です。

 いったいどうなっていやがる……!?


 赤く光るサラマンダーの瞳を逆に睨みつけながら、ゼロは持っていたライフルを再装填する。

「てめえ……。使役魔法の使い手か。しかもその服、うちの学院の……」

「そうだよ」

 カンパネルラと名乗った男は、へらへらというか、余裕たっぷりの表情でこちらに向かって笑みを浮かべていた。


 ……こいつ、学院の魔法結界が地下に及んでいないことを知っているのか。

 学院の制服を着ていながら、こんなことをするのは……。

「……潜入者(スパイ)か……!」


 この学院の存在意義は、この世界で生き抜くため、戦っていくために必要なものを教えること、世に貢献できる人材を育てることにある。

 だからといって、この大陸は治安がよく、正義が必ず勝つという世界ではない。魔物、竜族など、それらを自主的に狩って生きる者も多い。彼らは彼らでコミュニティーを作り、俗に言う組織を作っているのだ。中には、非合法に裏社会を回っている者たちもいる。


 戦士科や狙撃科、魔術師科の生徒たちは、そういう連中と獲物が被ることもままある。そういう意味で出来の良い生徒は恨みを買うことも多いのだ。

 だがまさか、こういう手を使うとは……。

「……へえ。評価1の癖に頭もいいのか。てっきりただの単細胞なんだと思っていたよ、フォックス・F・ゼロシルバー」

 しかもお前の情報も把握済みか。


「推理能力もなかなか。引き込むのは君にしておけばよかったかな。まあ、過ぎたことだからいいけれどもね」

 何のことだ。

「行動が問題なんだね、迂闊だった。しかし、ここまで追ってくることも予想外だったよ。実は逃走途中だったんだけれど」

「てめえ、ふざけんなよ。俺を相手にしたことを後悔させてやる……」


 頭にふつふつと怒りが灯る。舐めた口ききやがって。


「後、僕は別にスパイじゃあないよ。引き込まれたのさ」

 カンパネルラが笑みを浮かべる。


「引き込まれた……だと?」

「そう。それも、とても魅力的な条件でね。僕のこの、使役魔法に特化した魔力を最大限活用できる、素晴らしい誘いだった。この学院を裏切ってもお釣りがくるくらいのね」


「ふざけんなクソ野郎。逃げられると思ってんのか」

「まあね」

 そう言うと、カンパネルラはサラマンダーの背から軽い身のこなしで地面に着地した。


「さあ、時間も迫っていることだし。この子には君の相手をしてもらうよ」

「チッ……」

 周囲の温度が上がっていく。


 完全にこの空間はサラマンダーの狩り場になってしまったようだ。

 だが、負ける気は、無い。


 銃を構え直す。

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