24話 世界を縛るは、友の枷。
加減乗除です。24話です。
もはや題名意味不明。
―除―
「オレガノ!!」
俺は焦った。
これ以上犠牲者を増やすわけには行かない――。
「落ち着きなよ、オギ」
「落ち着いていられる場合かよ!人が1人――」
アレ?
この声は・・・・・・。
「俺に任せて」
この優しい物言いには心当たりは1つしかない。
「アレン・・・・・・」
「大丈夫だから」
そう言ってアレンは歩いていく。
そして倒れて伏しているオレガノの横に屈む。
「まるでもうすぐ死にそうな台詞を言うね、オレガノ」
「・・・・・・不吉は、呪いに必要だから・・・・・・」
「どうせ、そんなに苦しくも無いんだろう?君の術式が破られて悔しいのは分かるけど、いつまでもそうしているわけにはいかないだろうしさ」
「・・・・・・」
オレガノは静かに立ち上がった。
どうも、痛みはそうでもなかったらしい――いや、まぁ、いつも体調は悪そうな顔立ちなので判断しづらいけど。
「さてと・・・・・・どうしようかな」
アレンはそう言って立ち上がりゴーレムを睨む。
先ほどまでの優しい視線ではなく、明らかに相手を憎悪を持って見つめている。
「オレガノ、ゴーレムの動きを封じて、倒しやすくして」
「呪う」
「OK。じゃあよろしく」
アレンはそう言ってもう一度笑う。
それを合図にするようにオレガノは今度は鉄製の釘と鉄製の普通サイズの金鎚に持ち替えてから、走り出した。
「Guoooooooooooooooooooo!!」
ゴーレムはまた自体発熱を掛け始めた。
それに向かってオレガノは走りこむ。
そして、その体に向かって釘をぶつける。
釘に熱が伝わり、オレガノの手と釘の煙を上げる。
「・・・・・・詠唱魔法・・・・・・空間を支配し、呪縛の念を解かない」
それでも顔色を変えずに、その体に金鎚で釘を刺す。
「・・・・・・術式:凍結」
さらにもう一度金鎚で釘を叩く。
呪縛で動けなくなったゴーレムの体が、今度は熱が下がっていくようだ。
そして、オレガノは地面に着陸する。
「Gu・・・・・・」
すると、ゴーレムは何の動きもとらなくなった。
先ほどとは違い、喘ぐことも暴れる事も、発熱すらもしなければ高速移動をすることも無い。
「ナイス、オレガノ」
そう言ったアレンは小刀を持っていた。
そして一瞬消えると。
ゴーレムの後ろに立っていた。
さらにその瞬間にはゴーレムの体はバラバラに崩れ去っていた。
「じゃ、あとよろしく」
アレンは言ってオレガノを見る。
オレガノは何も言わずに、バラバラになったゴーレムの体の上に立つ。
「術式:使役解除」
オレガノがそう言うと、心なしかゴーレムの体から覇気が消え去った。
「お疲れ」
「・・・・・・」
静かに2人はハイタッチして、静かに笑った。