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19話 無色透明なこの世界。
加減乗除ッス。19話ッス。
グロいです。
―乗―
ーー何だ?!何が起きたんだ?!
急いで最寄りの窓に駆け寄り、校庭の様子を一望する。
校庭の土の中から、三匹の巨大な白い生き物が姿を現していた。
そいつの白はとても生々しく艶めいており、その表皮には緑色の脈打つ太い血管が幾束も浮き出ていた。細長い体からは、それに似つかわしくない丸太のような足が百足の様に生えている。
ーーあぁ、コイツは知っている。図書室の本で見た。余りのインパクトのある外見のおかげでよく記憶に残っている。
確か名前はボーゾだ。
舞い上がった砂埃の中、三匹のボーゾは一斉におぞましい叫び声を上げると、校庭に散らばった人間に喰らいつき始めた。
一人目の犠牲者は下級呪術科の少女だった。涙目で逃げる少女にボーゾはあっという間に追いつくと、少女の頭にかじり付いた。それで即死した彼女の死体を掃除機のように吸い込む。