16話 いがみ合い、かみ合い始めるこの世界。
加減乗除 16話 書いてみた。
↑ニコ動風。
―除―
まぁ。
俺の気持ちを一言で表すなら、
はぁ!?
だ。
「はぁ!?」
言った。
感想が口をついて出た。
目の前の真紅のスクリーンにはよく見ると影によって作られた紋様が見える。そしてそのスクリーンは少しずつ横にスライドされていく。
それは少しずつ、小さくなっていく。
「・・・・・・」
ああ。どっかで見たと思ったぜ。
途中から生えてきた足とその後に続いた長い尻尾。それを見てから、俺とゼロを覆う影に気付く。ゼロは既にそれがある左側を見ていた。
森の高さよりも高い場所にそれはあった。
先ほどまで見飽きたサラマンデルの顔を、背景に映る黒と散らばる黄色たちが際立たせる。
しかし比べ物にならないくらいの大きさを誇っている。学校の教室2つ分ぐらいは突き抜けるだろう。
「・・・・・・でかいサラマンデルだ・・・・・・!」
「ちげーよ、バカが。サラマンダーだっつーの。見てみろ」
とゼロは顔を指差す。
「小さいのとは違って、目が黄色で、鱗がハッキリしてくる事によって、それが紋様のように見えているはずだ」
「ああ・・・・・・確かに」
「ちゃんと勉強しろって言わなかったか?そんなんじゃいつまで経っても、上にはいけないぜ?」
そう言ったときにはゼロは武器を構えていた。
「死なない程度に、教えておいてやる。コイツはこの森の中では最強レベルの部類だ。この森の生物は大体、コイツの捕食対象となる。特徴は『仲間思い』と『闘争心』だ」
その発言を聞いて瞬間に、副会長の発言が思い出された。
『それにあなた方のような方たちなら、もっと大きな解決になるはずです』
「つまりは、俺達が仲間を殺された復讐心と併せ持つ闘争心で、俺達の前に現れたのか」
「そうじゃなくて、お前のせいだっつーの、ガキが。お前が喧嘩をふっかけて来るから、その空気感に吸い寄せられてきたんだよ。そんな簡単なことを一々確認とるな。
ゼロはそう言って俺を睨む。
しかし口調の端々に、毒舌のキレが無い。
言うほど余裕でもないって訳か・・・・・・。
後、加えておくなら、俺だけの所為みたいに言うな。
「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaoooooooooooo!!」
そんなことを離している間に、サラマンダーは雄叫びを上げて、目を光らせる。
そして次の瞬間には、俺達の居る場所に向かって牙を向けてきた。
「来たぞ!」
「知っている」
ゼロは俺の発言にそう言って、銃をサラマンダーに向けた。
「悪いが、今回はお前を守るような余裕は無いぞ」
先ほどまでの調子と違い、冷静な表情と言動を見せる。
「守られた覚えは無いけどな」
「ならいいが」
ゼロは引き金を引いた。
銃口からは先ほどとは比べ物にならないほどの火花が散る。
銃弾は牙ではなく、サラマンダーの迫って来るスピードにあわせるように、虚空を撃つ。
撃った銃弾は上手いタイミングでサラマンダーの額に当たり、炸裂する。強制的に頭を地面に向かって叩きつけさせる。
「すげ・・・・・・」
「油断するな、クソガキ!」
ゼロが叫んでその場から離れる。
「え――」
気付いた時にはそれは、俺の体を捉えた。
目にも留まらぬ速さで、サラマンダーの尻尾が俺の体を吹き飛ばす。
「ぐぁ!」
運がいいのか悪いのか、俺の体は木に叩きつけられた。
「畜生・・・・・・」
俺は体制を整えなおし、刃を構える。
くっそ・・・・・・結局面倒な事になるなら、メリアと一緒に居たほうが良かったか?
コイツと連携なんて無理に決まっている。
大体、対応策も見つかっていない以上、俺に何が――。
「クソガキ!!」
ゼロが俺を呼んで、俺の横に降り立った。
「何だ、狐野郎!」
「2秒・・・・・・手ェ貸せ!!」
そう言って、こちらを見ているサラマンダーの光る瞳を見る。
「・・・・・・はぁ?」
「いいから、貸せっつってんだ!俺の言うとおりにやれば、勝てる!そんぐらいできるだろ、勉強不足!」
「・・・・・・上等だ。やってやるぞ、落ちこぼれ狐!」
意味の分からない、心の通わせ方だった。