14話 この世界、火を見るよりも明らかに。
加減 14
乗除 話
です。
―減―
俺が斬ろうとしたサラマンデルがまた横へ吹っ飛ぶ。
……いい加減にしてくれよな、狐野郎。
さっきから俺が狙おうとした奴ばっかり狙撃しやがって!
嫌がらせなのか! だよな!
「くそッ!」
思い切ってサラマンデルが固まっている場所に突っ込んで、長剣を横へ振る。
数体のサラマンデルが胴体を斬り裂かれて地に伏せる。
大きく身体を反らし、その場に残っていたサラマンデルの脳天に刃を振り下ろした。
「Guiaaaaaaa!!」
……それにしてもずいぶんと大きな群れだ。サラマンデルとは何回か戦ったことがあるのだが、前はそんなに大きな群れじゃなかった。
何かあるのだろうか?
まあ、偶然だろうけれど。
そう思った時、少し近くで、「ぬおぁっ!」という声が聞こえた。
そのあとすぐに、上からゼロが降ってきた。
どさっ、と激しい音を立ててすぐ横の草むらに落ちる。
「クソッ、あのトカゲ……。木の上にまで登ってくるのかよ、畜生!」
その場で身体を起こしながら、ゼロが吐き捨てる。
「どうしたんだよ、先輩さん?」
「……うっせえ、クソガキ」
「いい加減そのクソガキっての止めろよ、狐」
「黙れクソガキ」
「ッ……この野郎、もう怒ったからな。いい加減に―――」
『Giaaaaaaaaaaaaa!!』
「!!」
しやがれこのクソ狐!、と叫ぼうとした時、叫びあっている俺達の左右から二体ずつのサラマンデルが飛び出してきた。
「こんの……」
「手前ら……」
「「邪魔なんだよぉぉぉ!!」」
すぱん、ズガン、という音とともに、四体のサラマンデルが斬り裂かれ、胴体を撃ち抜かれた。
「くそったれ!!埒が明かねえぞ!」
「そんなこと分かってんだよ!」
俺が近づいてきたサラマンデルを剣で斬り、遠くから火炎魔法を放とうとしたものは、俺の後ろのゼロが銃で撃ち抜く。
それを幾度か繰り返した後、俺達の周りには動かないサラマンデルの遺骸が転がっているだけになっていた。
「はあ……はあ……」
「……クソッ。手間取らせやがって」
「……はあ、帰ったら剣の手入れしなきゃなー」
「……手前クソガキ、いいか?」
「あん? なんだよ狐」
「今回は引き分けにしといてやるよ。俺の情けに感謝しやがれ」
「はあ!? どう考えても俺の方が倒してただろうが!」
「んなもん途中からは数えてねえよ!」
「俺もだよ!!」
……結局、ゼロとの勝負は一度引き分け、という形に落ち着き、俺達は思い思いに帰り支度を始めたのだった。