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11話 虚しさ溢れる、この世界。
どうも加減乗除です。
11話目になります。
―乗―
透き通るような銀色をした長髪と瞳が気品を醸し出し、今時一般的でない片眼鏡を掛ける事で、それに一層の拍車を掛けている。
「あんまり五月蠅くしていますと法会議に連れて行きますよ?」
「「んじゃ、コイツを連れて行ってください」」
くそッ、こんなトンデモな奴とハモってしまった……。不覚……。隣をふと見てみると、ゼロが俺を凄い剣幕で睨んでいた。
カミルレが冗談ですよ、と微笑む。しかし……。
「ですが、お二方。部屋の中では沢山の役員が一生懸命に働いているのですよ?貴方方はそれを承知で騒いでいたのですか?でしたらそれは非常識と言うものではないでしょうか。私は………………」
この胡散臭い説教はこの後15分程も続いた。隣のゼロはその話の途中で眠り始めた。立ったままでだ。
初めて見たよ、立って寝る人。