13話 哀銀竜 2
短めです。
「振られたな」
「うっせー」
衝撃的な発言の後少女はプイッと後ろへ翻してまたベッドで眠ってしまった。
とりあえず部屋から四人で出ることに。
「しかし、ボーッとして何かあったのかい?」
「それがな……」
そうしてさっきのことを三人に話した。
「なるほどね、さしずめさっきの物語の龍視点バージョンってことか」
「……ありえない……」
アレンは落ち着いているが、オレガノはそれに驚愕していた。
「むむむむむ……」
メリアは何かを考え込んでいる。
「……だってその話からいくなら、その女の子は……」
「龍だってことになるよね」
アレンがオレガノの話に続けた。
「いやいやいやいや、思いっきり少女だったじゃん!!」
確かに言われてみればその通りなのだが、まだ納得は出来ない。
「魔術の中には、神話級と呼ばれるものがあるの……」
オレガノが、皆に言う。
「私も習ったわ。でも、余りにも桁違いな力と、それを使えるだけの魔力を持ってる人間がいないから消えてしまったって言う魔法のことでしょ?」
メリアも思い出したように言う。
「そういえば、銀龍が最後にその神話級の魔術で封印されてるんだったよね」
「神話級の魔法なら、擬人化くらいできるってことか?」
「それは……、分からないけれど……」
「思い出した!!」
話が煮詰まりすぎてきたところに、いきなりメリアが大声を上げた。
「皆が話してる神話級の魔法じゃないけど、高等魔法、それもとびっきりのやつにあるよ!! 記憶共有っていう、自分の感じた知覚を際限なく相手に送るって魔法が!!」
「じゃあ、それでオギが見たってことか?」
「じゃなけりゃ、そこまで鮮明なイメージを送ることなんて出来ないよ」
話のレベルが少し高度になってきた気がする。
「でも、そんなものを使える存在ってことは、やっぱり……」
「龍、なのかな」