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シャーロキアンのホームズⅡ〜名探偵になりたい男の物語〜  作者: 語り部ファウスト


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3/17

第三幕:シャーロキアンの崩壊の危機

やあ、君。僕はホームズだ。そして、ホームズを愛するシャーロキアンの一人だ。

なのにーーシャーロック・ホームズと名乗っている。


第二幕では、僕はコナン・ドイルの付き人として屋敷に連れ込まれた。そして彼の妻ルイーザに、会った。

彼女は結核で、

ここは『彼女のための最後の家』だったーー。


「冗談じゃないーーあの女はーー結核だ......」と僕はことの顛末を話した。

様子を見にきたシャーロキアンの群れのリーダーの帽子ホームズにね。


そこはサリー州ハインドヘッドの屋敷の裏口だった。屋敷の中は息を潜めたように静かだった。

誰も感染者のいる屋敷を襲う者なんていない。だから見回りもない。


帽子ホームズはステッキによりかかりながら、立ったまま話を聞いていた。彼と僕の違いはディアストーカーハットの有無でしかないだろう。


帽子ホームズはーーしばらく考えた。

一秒以内で考えられたのだろう。

声は弾んでいた。

「おい、君。これはチャンスだぜ。

その女の心をつかんで、コナンにホームズ本を書かせるんだ。」

「どうやって?」

「そりゃあ、女なんざ適当な事いってほめてやりゃあ、勝手に気持ちよくなるさーー気持ちよくさせるんだ。

それがーー骸骨のように痩せた女であれね。」

「ーーそれは、卑劣なヤツがーーやることでは?」と言った。

するとーー彼から不満げな声が返ってきた。

「もう何作も......あの野郎はホームズ本を書いていない。

このままだと、

彼の中にいるボクらのホームズが、

歴史バカになるのも時間の問題だぞーー」

彼は一呼吸おいて言葉を続けた。

「そうなったら、ボクらは、おしまいだーー」

「まさか」

「そのーーまさか、さ。

ボクらは知性を磨けず、他のシャーロキアンたちもアイツを見限る。ホームズ本は川に投げ捨てられるんだ。

そうなってみろ、まるでボクらはバカだ。マヌケ集団になりさがるんだ。」

彼の話を聞くと、僕は不安になった。

事態は深刻なのかもしれない。


次の日から、

僕は本格的にルイーザの世話係になった。誰も彼女に近寄りたくないからだ。僕にとっても都合が良かった。

ーーこの家の連中は、

コナン・ドイル以外は、

僕にも近寄らなくなった。


この屋敷でもーー孤独だった。


この孤独はルイーザも分かっていたーー。

彼女は決して部屋から出なかった。

僕と話す時ですら、

上から目線ではなく、

一人の人間としてーー

すまなそうに扱ってくれた。


だから、僕は心からーー

彼女を『奥さま』と呼んだ。


(こうして、第三幕は孤独により幕を閉じる。)

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