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気の向くままの異世界旅  作者: 方夜虹縷
第三章

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第1話&第2話 新星


月が輝き、大半の生物が眠りについている。


しかしそんな静寂とは裏腹に、血や死体といった生の痕跡が散らばっている。


一や二ではない。


経緯いきさつを知らず、関係のない誰かが見ればここであったのは大方、紛争か虐殺か、と思うだろう。


そしてまた、完全な痕跡になろうとする者が。


血を吐き、布が真っ赤に染まっていく中。

俺を見つめて言った。


「■■■……■■■■。■■■■■。」









大気圏を抜け、熱がなくなり気温が下がった頃。

現在進行形で空に浮く俺が魔力障壁越しに見たのは、滅んだ星と変わらない光景だった。


宇宙から見た景色通り、ここも地球に似た星のようだ。

だが、安易に断定はできない。さっきまで俺がいた星は突如発生した隕石群によって滅んだばかりだ。それが少し目を離した隙に同じ位置に似たような星が現れた。星の欠片が集まって再生したとは考えづらいし、あの場にはその星の欠片が残っていた。最もあり得るのは一瞬で新たな星ができた……生成された?それも、周りの太陽や月などの星々も含め。最もあり得る候補ではあるが、可能性はそこまで高くない。他にも候補が多くあるのだ。判断材料に欠ける以上、やはり現段階での判断は避けるべきか。


となると、今すべきことは明確。

そう判断し、試しに魔力障壁を解いてみる。呼吸ができる。不老になったとは言え、不死になったわけではない、たぶん。そのため人体構造は変わっていない。俺が生きるためには酸素が必要だ。つまり、ここには酸素があるということ。空の上だから若干希薄だが。

ここからなら、宇宙から色しか分からなかったものの正体が分かる。あれは水だ。

空間魔法を使用し、水を少量持ってくる。水、光属性を使って激物が混ざっていないか確かめた。問題なし。間違いなく普通の水だ。

ひとまず、俺が最低限生きるのは問題なさそうだ。


さて。そろそろ地上か。

俺がいろんなことを確認している間にもどんどん落ち続けている。体感だが、標高が下がっていくにつれて気温も上がっていっている。こういうところも同じのようだ。


そして、地上に着いた。周りに影響を与えず、何かいた場合は勘づかれないようにするため数十メートルの距離は転移で勢いを殺してから着地する。


着いたのは少し開けた場所で、目の前に湖があり、湖含めて辺り一帯森に囲まれている。

湖はかなりの大きさがあり、今ちょうど夜で月が出ているため、月光を反射して幻想的な雰囲気を―――――?


見間違いか?

いや、違う。


人間だ。


湖のちょうど中心。

そこに人間が立っている。重力を無視して、何らかの手段で立っている。浮いてはいない。間違いなく水に触れている。


その時、その人間がこちらを向き、目が合った。


しばらく目を合わせ続けると、その人間が左腰に両手を動かした。よく見ると、腰に長い何かが吊られている。それ以外は暗くあまり見えない。


あれは……刀?


魔力を使ってはっきり見ようとすると、その人間は水面にいるにも関わらず刀に手を添え重心を落とした。


次の瞬間、勢いよくこちらに向かってきた。そして俺に当たる直前で抜刀した。

それを魔力障壁によって防ぐ。


自分の一撃が不可視の壁に防がれると、その人間は僅かに目を大きくした。ここで、相手の姿がよく分かった。髪の長い女、和服を着ている。


その女は刀を押し込んでわざと弾かれ、湖に戻った。すぐさま腰を落とし刀を構えた。当然のように、水面に浮いている。


……まず、一つ。どうやって水面を蹴った。いや、水の上に立っている時点でさほど不思議ではないか。

違う違う。そもそもどうして水の上に立てれているんだ?

反動で着地……着水したとき、何かが触れたときに起こる水の陥没と波紋ができていた。あの女は弾かれ、空中からであるにも関わらずかなり綺麗な姿勢で垂直に着水した。体幹がしっかりしているのだろう。


女かまた突っ込んでくる。今度は刀を抜いた状態で、やや上段気味だ。

女が接近する。さっきもだが、かなり速い。やはり刀を扱う上で、刀を持った状態でも俊敏さは必須となのだろうか。


女が刀を振り下ろす直前、呟いた。


「時雨式 疎雨」


すると女の刀は魔力障壁をすり抜けた。咄嗟に後ろに跳び、刃を避けた。


魔力障壁は破壊されていない。刀が通った瞬間も、今も存在している。となると、今のは刀に透過性を持たせる技、或いは……


思考していると、女は避けた俺に向かって追撃を仕掛けてくる。

それに対して、今度は火属性魔法で壁をつくった。


するとやはり壁を貫通してきた。無闇に受けるのは危険と判断し、さらに後ろへ。


火属性の壁を確認する。やっぱり、壁は存在したまま、破壊も干渉もされていない。

この壁の火は、土属性ならともかく、魔力を帯びた魔法のままだ。独立した物体ではない。即ち、あれは差し詰め魔力を無視する技と言ったところか。


さて。なかなか厄介だ。純粋な刀術だけでも一流なのに、それに謎の魔力系刀術……いや待て。


あの技を使ったとき、魔力は帯びていなかった。刀も女自身も。つまり……。


手練れ。だが、この殺されるつもりは毛頭ない。

後ろに下がったことで、すぐ後ろは森だ。


そろそろこちらからも仕掛けるとしよう。








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