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気の向くままの異世界旅  作者: 方夜虹縷
第二章

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第25話 対話?

俺は今人生で初めての経験をしている。


おそらく、ほとんどの人間が生涯経験しないであろうことだ。


地球ではたぶんありえない、見ず知らずの男、いや外見を見る限り少年に分類されるか、から謎の勧誘を受けている。


…………詐欺罪で訴えようかな。


「頼む!僕たちの仲間になってくれ!」


バカな……。こいつbotか?確かに俺は返事をしていない。だが、返事が無いだけで一字一句繰り返すか普通?


「たのm」


「聞こえている。何度も繰り返すな。」


何なんだコイツは。不審者か。


「初対面でいきなり勧誘から入るな。で、誰だお前。」


とりあえずコイツに敬語はいらない。絶対だ。世の中には不審者に敬語使う人がいるが、敬語が素の人間以外で、それは不審者ではあるがヤバい人間だ、と確信しきれていない証拠だ。


……何やら後ろで受付さんが『ありえない』的な表情をしている。その視線が目の前のコイツではなく俺に向いているような気がするが、まぁ気のせいだろう。


「うん?ああ!そうだね!」


頭を下げたままだった少年が顔をあげる。柔和な表情で人当たりのよさそうな人間だ。


「僕はシド。いろいろあって勇者なんてやってるよ。」


「そうか。」


まぁ、まわりの反応から何となくは察してた。


にしても、コレが勇者か。物語に出てきそうな勇者そのままだな。


「よろしく!……えーと、」


「レイだ。」


「よろしく、レイ!それで、僕たちの仲間になってくれないか?」


「それはもう聞いた。具体的な内容を言われないと何一つ話が進まないだろう。」


「あ、そうか。」


……コレが勇者で大丈夫なのだろうか?


勇者を選んだ神託とやらに疑問が向きかけたとき、再びギルドの前が騒がしくなった。今度は何だ。


勇者が入ってきた時と同じように、入口が音を立てて開かれる。

入ってきたのは動きにくそうな服を着た少女だった。その少女はギルド内を見渡しこちらを見ると、目を見開き近づいてきた。


「シド!ここにいたんですね!」


少女が開口一番言う。どうやら少年の知り合いらしい。


少女がさらにまくしたてる。


「何をしているんですか!王都に着いたらまず謁見って、あなたも言っていたでしょう!それなのに、王都に着いた瞬間飛び出して行って……。探すのがどれだけ大変だったと思っているんですか!」


少女は大声で言う。この荒れようだと、よっぽど苦労したらしい。普段から手を焼いていることだろう。現在進行形で迷惑をかけられている俺が言うのだから間違いない。


少年が頬をかきながら言う。


「ごめんごめん。着いた瞬間居ても立っても居られなくてさ。うん、何も言わずに飛び出した僕が悪かったよ。でも、」


少年の言い訳を遮り、少女が少年の腕を掴む。


「でも、ではありません!王都に着く前に、巡回の兵士様に伝令をお願いしたことを忘れたのですか?国王陛下がお持ちです!早く行きますよ!」


少女が少年の腕を引き行った。少年のほうは為されるがまま、という感じだった。


さて、迷惑をかけられたまま放置された俺は、取り敢えず憂さ晴らしの相手でも探すことにするか?











◇ 







よく分からないヤツの襲撃を受けた日の午後。


依頼を数件こなした俺は冒険者ギルドから宿に帰っていた。


さっき聞いた話だが受付さんが信じられない、という表情を向けていたのは、どうも勇者の顔というのは広く知れ渡っているらしく、それを知らない俺に驚いていたらしい。あの時の視線は俺に向けられていたのか……。

ちなみに少女のほうは聖女らしい。勇者と同じタイミングで神託によって選ばれるんだとか。


まぁ、そんなことはどうでもいいんだよ。すでに過ぎ去った過去の面倒事。今集中すべきは今晩の食事を何にするかd


「あ!見つけた!」


……。


「おーい……。あ、あれ?なんか顔が……。というか寒気が……。」


今晩は夕食前に気分を下げたバカの丸焼きにしよう。


「ちょ、ちょっと待って!街中で剣は!?」


何やら喚いているがもう遅い。須らく晩餐になるべし。


「な、何かしたのならごめん!ごはん奢るから!」


……。


「まぁ、人間生きていれば間違いはあるからな。即座に謝罪できて、わびも提示できるならば良し。さ、どこだ?店は任せる。」


「う、うん?ゆ、許してくれたようで何より?」


「……あなたよりおかしな人ですね、シド……。」


よく見たら今朝の少年少女か。疾く案内するがよいぞ。












その2人は王都に着いたばかりで、この辺りのことは何も知らないらしく、ちょうど近くにあった店に入ることになった。


その店は一般的な大衆食堂といった感じで、味も見た目も良く、店員さんの対応もばっちりだった。こんなにおいしいなら、もっと評判になってもいいはずだが。客は入っているが、満席ではなく、しかも俺が聞いたこと無い。もう王都の飲食店はあらかた回ったと思っていたのだが。


「えっと、じゃあそろそろいいかな?」


声のした対面の席で、少年少女がよく分からない視線を向けてきていた。なお、注文した料理はしっかり食べきっている。


「ああ。待たせて悪かったな。じゃ、ご馳走になった。」


「待って待って!?帰らないでくれるかな!?」


解散の流れじゃないのか?






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