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気の向くままの異世界旅  作者: 方夜虹縷
第二章

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第11話 成果

ヘルメスで冒険者活動を始め1ヶ月がたった。


俺たちは順調に依頼をこなしていっていた。その成果もあり、俺とリギットはCランクまで昇格していた。受付嬢によると、1ヶ月でFからCまで上がるのは非常に稀なことらしい。過去の短期間での昇格には例外なく推薦が関わっているそうだ。


もしかしたら向こうの冒険者ギルドにもあったのかもしれないが、このギルドには上位ランクかつ実績・信頼のある人間が、下位ランクの人間を一定のランクまで引き上げられる制度がある。もちろん、下位ランク側の人間の実績も必要になる。その制度のおかげで俺とリギットはCランクまで上がった訳だ。誰の推薦かというと、リソルとタラトだ。そこそこのランクとは言っていたが、あの二人はああ見えてAランクらしい。あの脳筋でどうやったらAランクになれて、信頼も得られるのやら。魔物を見つけたら即突っ込んで行くような奴らだぞ?


ほんと、どうやったらアレでAランクなんて言われるのか。AランクはSランクの1つ下。SランクとAランクの間には天と地ぐらいの差があるが、それでもSランクという天から見て、地レベルの実力はあるはずだ。断言できる。あの二人にそこまでの実力は無い。せいぜいBかCぐらいだろう。あの二人の性格から考えて、軽めの依頼をバカみたいな数こなしまくったのだろう。だから、自身より強い相手との戦闘経験が欠しい。そうだとすると、実力が足りないのも頷ける。ただ、これはあくまで仮定だ。思いもよらない切り札を隠し持っているのかもしれない。


実力と言えば、リギットの魔法はこの1か月で中堅魔法使いぐらいになった。ランク相応の実力と言える。特に、課題だった命中率と構築スピードは面白いぐらいに上達した。これなら、俺ほどではないものの、同ランクや少し上のランク相手にも引けを取らない。


リギットは魔法使いとして十分な技量を身に付けた。しかし、冒険者としては全くだ。未だに攻撃を躊躇うことがあるし、解体作業はほとんど拒否。


そう考えるとリギットは土属性魔法を農業に生かすのが最善なのかもしれないな。この才能をうまく使えば、ノベ村は農業の適地・豊作地として有名になるだろう。ノベ村とはリギットとリソルの出身地だ。俺が数日世話になった村でもある。


このパーティーの1か月の成果はだいたいこんなものか。単純に表せるものではないが、概ねプラスになっているだろう。


当然、俺自身この1か月、ただ依頼を片付けていたわけではない。何故ここにいるのか、ここはどこなのか、そもそも何故異世界にいるのか等々あるが、ここ最近は自分の能力をより使えるようにするための行動をとっていた。夜な夜な宿を抜け出して、仮説と検証に明け暮れて、部屋に戻ったのは気づかれるギリギリなんてことも多々あった。まあ、そこまでした収穫はあった。例えば……


「レイ。もうすぐ着くから準備しといてくれ。」


リソルの声で思考が現実に引き戻される。今俺たちは依頼を受けてある魔物の討伐に向かっている。それも、ただの依頼ではなく指名依頼。指名依頼が来たのはAランクであるリソルとタラトだが、パーティーを組んでいるとかで俺とリギットにも参加券があるんだとか。初めはリソルとタラトの二人だけで行かせようとしたが、二人に頼み込まれたし、リギットもワガマ……行きたがっていたので付いて行くことにした。結局やることはいつもの依頼と変わらない。


ただ、Aランクへの討伐指名依頼となると、かなり強いもしくは厄介な魔物なのだろう。


「リソル。今回の討伐対象の魔物は何なんだ?」


一応、出発前に聞いていたのだが、お楽しみということで俺たちは知らないのだ。


「まあそう慌てんなって。野営のときに教えてやる。ほら、着いたぞ。」


事前に目的地は遠いということは言われている。途中までは馬車で行けるが、全体の三分の二は歩きということも。戦闘時に体力を満タンにするためにも片道に数日はかける必要があるのだ。野営の準備はしてきている。


馬車を見送った俺たちは、道とは言えない道を歩いていく。やがて森が見えてきた。かなり木々が入り組んだ森で、体力のことを考えるのもよく分かる。俺や脳筋共は問題ないだろうが、リギットは確実にダウンするだろうな。この日程とコースを考えたのはタラトだ。脳筋だが、考えているところはしっかりしているのだ。


馬車での移動に半日近くかかったから、もう夕方が迫っている。タラト曰く、夕方を過ぎると一気に暗く危険になり進めなくなるので、夕方に差し掛かったらすぐ野営の準備を始めなければとのこと。幸い、ここまで魔物に出くわしてはいない。


そうそう。俺はこの1か月間依頼の時『空間』禁止でやってきた。理由はもちろん『なんとなく』だ。その成果もあって、探知には劣るがある程度近い魔物や人間の気配を感じれるようになった。要は勘を鍛えれたわけだ。探知する暇もないぐらいの戦闘や奇襲を受けたときに役に立つだろう。


「時間ですね。ここで野営にしましょう。」


タラトが見切りをつけたようだ。待ってましたと言わんばかりにリギットが準備を始める。やはり足にきていたようだ。


だが。

そう簡単には休めないようだぞ?



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