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気の向くままの異世界旅  作者: 方夜虹縷
第二章

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第4話 コント

リギットの家で世話になり始めて数日。

俺はもうすっかり農家の暮らしに馴染んでいた。

今が旬の野菜の知識や作業は一通りマスターしたし、他の季節の野菜についても、今すぐ作業に取り掛かかっても問題ないぐらいの知識は得た。もともと野菜が苦手ではなかったが、自分で収穫したことが追加されると、これがなかなか。諸君らも実際にやってみると分かる、ということを今日の子どもたちへの話のタネにしよう。


俺がこの村に来た翌日から子ども達とは毎日会っており、子ども達から話をせがまれるレベルで懐かれていた。あの無限と言える体力は見ていて面白いもので、一度魔法無し・能力無しで遊びに付き合ったことがあるが、まぁヤバかった。俺のほうが体力は断然多いはずなのに、先にダウンしたのは俺のほうだった。そんなんチー〇やチー〇ーや!子供の体力侮る勿れ。


「レイももうすっかり農家に染まっちゃったねー。」


そう軽い調子で言ってきたのはリギットだ。今は、作業を終えて子ども達を待っているところだ。場所は村から少しでた草原、俺たちが農作業を終えた後というのがお決まりになっている。


「毎日、くり返しやってるんだからそれはそうだろ。」


「そうなんだけど、早すぎなんだって。私なんか何か月かかったのか覚えてないぐらいだよ。」


「そのときのリギットとは年齢が違うだろ。たしか、まだ年齢一桁のころだったんだろ?」


「うん。私が手伝い始めたのは9歳のとき。でも、羨ましいものは羨ましい。」


「子供かお前は。」


「違いますぅ。立派な成人ですぅ。お酒は飲めるし結婚もできますよーだ。」」


「子供だな。」


「違うってば!」


この辺りの成人は15歳らしい。成人しているという割には言動が幼い。何歳で成人とするかは多数の意見がある。この手の論題はメリット・デメリットを挙げるときりがない。


「おーい、にいちゃーん!ねえちゃーん!」


体力おば……もとい、子ども達が走ってやってきた。今叫んだのはコンバだ。初めて会ったときにリギットをからかっていた元気な男の子だ。

元気なのはいつものことだが、今日はいつもと違うな。嬉しいことがあって、それで元気といった感じだ。

子ども達がここまで来た。


「どうしたの?そんなに急いで。」


リギットがそういうと、女の子が答えた。俺たちの関係について聞いてきた女の子だ。名前はラディ。


「あのね、リソルお姉ちゃんが帰ってきたの。」


「!リソルが!?」


リギットが立ち上がって驚いている。リソルという人は知り合いか?反応を見る限り喜んでいるようだ。マイナスなことじゃないならいいか。

ここで喜んで終われたらよかったが、コンバが笑いながらリギットにとっての爆弾を投下した。


「今、村じゃこの話題で盛り上がってるぜ!なにせ、あのリソル姉ちゃんが男連れて帰ってきたんだからな!」


一拍おいて


「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇえええぇぇえええええ!?」


リギットの叫び声が響いた。














数分後。

話を聞いた俺たちは(ほぼリギットに引っ張られて)リソルという人物の家にやってきた。子ども達には今日は無しということで、みんなで遊んでもらっている。


バン!


リギットがテキストをつけたくなるような勢いで扉を開けた。


「リソル!いる!?」


リギットはズカズカと他人の家に入っていくが、いいのか?あの口ぶりだと、昔馴染みなんだろうが……。さすがに、勝手に入る訳にはいかないので扉の傍から見させてもらう。


中を除くと男女4人が対面で座っていた。全員がこちらを向くが、そのうち明るそうな見た目の女性が声を出す。


「お、リギットじゃん。久しぶり。元気してた?」


「うん、久しぶり。元気にしてるよ。じゃなくて!どういうことリソル!あなたが男を連れて帰ってきたって!」


あの女性がリソルのようだ。となると、隣にいるのが……


「あぁ、ほら。あたしの隣にいるだろ?紹介するよ。あたしの彼氏のタラト。たまたまパーティー組んで、あたしが捕まえた。タラト。こっちはリギット。あたしの昔からの友人、いわゆる幼馴染。」


「初めまして。タラトといいます。リソルの彼氏をやらせてもらってます。どうぞよろしくお願いします。」


「あ、ご丁寧にありがとうございます。リギットです。こちらこそよろしくお願いします。……ってリソル説明して!あなたが彼氏!?あのリソルが!タラトさん、大丈夫ですか?じゃじゃ馬に引きずられてませんか?」


「おいリギットどういう意味だ?あたしに喧嘩売ってるのか?」


「売ってないですぅ。事実を伝えただけだよ!」


ギャーギャーと二人が騒ぎ始める。やめてやれよタラト君が困ってるだろ。こりゃ苦労するなタラト君は。

そんなことを考えていると、対面に座っていた人物がこちらに歩いてきた。騒ぐ二人をほったらかして。


「すまないね、レイ君。うちの娘がお騒がせして。」


そう話すのはリギット宅のご近所さんだ。畑が隣接しておりよく話す機会もあるが、よそ者で得体のしれない俺相手でも受け入れてくれる優しい人物だ。というか、この村の人物で俺に非友好的な人物はいない。なんとも道徳的な村人たちだ。

この口ぶりからするに、この人がリソルさんの父親だろうか?


「いえ、別に気にしないんですが。勝手に入っちゃってすみません。私よりもアレ、止めなくていいんですか?」


「ああ。アレは昔からの名物みたいなものでね。娘が出て行ってから聞けなくなったから、正直私も妻も楽しんでいるのだよ。」


「……そうですか。」


「ほら、レイ君も。扉の傍で立ってないで、中に入ると良い。」


「ありがとうございます。」


許可を貰ったので、家に入り少し離れたイスに座る。すると、音をたてたせいか、リソルさんと目が合った。

次の瞬間


ガシッ!


今度はリソルさんが適す地がつく勢いでリギットの肩を掴んだ。この村の人間は、親子だけでなく幼馴染も似るのか?


「おいリギット。さんざんあたしに男、男言っておきながら自分も彼氏いるじゃんか!」


「ふぇ?」


コッチ見んなさっさと否定しろ。





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