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気の向くままの異世界旅  作者: 方夜虹縷
第一章 始まりの異世界

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第16話 悪魔による代行劇の幕開け

「さぁて待たせたなブタ。待ちに待った処刑のお時間だ。」


あんだけアネモネに言ったからな。アネモネに見せるためにもコイツにには役に立ってもらうとしよう。が、その前に


「アネモネにも聞かれたと思うが、俺も聞いておきたいんでな。ブタ、何でアネモネの両親を殺した?」


この点は聞いておかなければならないだろう。答えによっては別の使い方することも吝かではない。


「そ、そんなの決まっている!我ら貴族が」


うん。当初考えてた使い方でいいや。貴族何とかって聞こえた時点で論外だ。

早速前準備をする。と言っても四肢を切り落とすだけだからすぐ終わる。良かった~、サネルでの数日間が無駄にならなくて。そういう点だと、このブタに感謝だな。そうそう、今回はうるさくなるのが予想できてたから、あらかじめ風魔法で声を出せないようにしてから切り落としている。いやー、魔法様々だ。ほとんど円滑に進む。


「さて、ブタ。俺が何故四肢を切り落としたか分かるか?ま、分からないよな。今日はせっかくだし、徹底的に味わって欲しいから全部解説つきの大盤振る舞いだ、喜べ。何でかって簡単に言うと俺がやろうとしてるのはアネモネの復讐だ。正確には代行だな。アネモネがあんなんになってるからな。せめて同じくらいの絶望を味わってもらおうか。ところで、お前は自分で貴族が~とか言うんだし、金や領地への執着はとても大きいんだろ?そんな目を見開かなくていいって。喋ろうとする必要もない。その反応で十分だ。あのときアネモネは自分の両親を、人生で一番と言えるぐらい大切なものを奪われた訳だ。なら、お前からはそれ以上のものを奪ってやろうと思ってな。お前の大事なものは命、金、領地・・・いや、権力か。くだらない。そんなもの本当の力の前では無力だってのに。ともかく、そのあたりだろ?」


だいたいこういう奴はこの辺しか目がないものだ。それ以外には目を向けず、自分が上位だと思い込む。愚かなことだ。


「ところで」


俺は始まりの合図となる事実を投下する


「何か違和感を感じないか?例えば・・・外の音が一切聞こえないとか、いつまでたっても追加の兵士がこないとか。俺はアネモネに派手にやるよう指示した。騒ぎを聞きつけていれば、とっくに到着しているはずだろう?」


これを聞いたブタは必死に辺りを見回す。残念、この部屋にいるのは俺、アネモネ、ブタの3人+死体だけだ。


「実はアネモネが突入したあと結界を張っておいてな?あぁ、結界という言葉を知らないか。」


結界は『空間』の力を使って張った。おそらく『空間』を持つのは俺だけだろう。ならそういう概念自体なくて当然か。


「ま、ちょっとした魔法でな。効果はこの領主館と外を隔て、ものはもちろん音すら遮断した。じゃあ今外はどうなっていると思う?領主がこんな事になっているのに特に変わらず?答えは自分の目で確かめるといい。」


俺はブタの服を掴み窓に向かう。その後ろからはアネモネがついてくる。アネモネに結界や遮断云々は伝えなかったからそこは驚いていたが、今はまだ少し戸惑いがあるがおさまったようだ。


ブタが町を見れるようにして、アネモネが来たのを確認してから窓を開け結界を解く。さぁ、ブタの大切なものを奪う愉快な時間の始まりだ!


「っ、なっ、あっ。」


ブタはともかくアネモネも似たような表情で呆気にとられている。これ並んだのを見ると面白いな。


「っな、何なんだこれは!」


意外と早く喋ったな。結界を解いた時点で風魔法は解除してある。四肢は止血してあるものの、痛みはまだあるはずだから忘れるぐらい集中してくれているということか。数日頑張った甲斐があった。


「何故、なぜ!」


我ながらいいできだ。


「なぜ私の町がボロボロなのだ!」


窓の外に広がる景色はまさに惨状という言葉がピッタリの景色だった。建物は半数以上ボロボロに倒壊し、道を中心に血だらけの人間があちこちに倒れている。死んでいるものもいるがまだ大半は生きている。目を凝らすと何ヶ所か棒のようなものが地面から突き出ている。さながらそれは槍のようで、そこに1カ所あたり10数人が焼き鳥ように刺さっている。焼かれてはないが。あれは土属性魔法で創り出したものだ。


そう、俺がアネモネの復讐と合わせてやろうと思っていた事は、この町を滅ぼす事だ。数日調べ回ってこの町にろくな人間がいないことは確認済みだ。ちなみにアネモネが復讐を躊躇ったとき用の代行を想定してという理由でもある。


「どうだ、アネモネ?こんなちっぽけなものでもお前にとっては酷いことだと思うか?この景色は現実の縮図だと言っていい。俺という圧倒的な個に、弱者である多数は奪われる。あの中には俺と直接関わったことがない奴もいるが、等しく奪われている。強者の気まぐれとはこういうことだ。実際目にすると分かりやすいだろう?」


深い交流があろうと邪魔になるなら消すことも容赦なく行う俺だ。そもそもここには良い知り合いすらいない。

奴隷商のオーナー?あぁ、あれこそ救いようがなかったな。探るときに見てみたがかなり黒いことしてたし。今ごろはその辺で死んでるんじゃないか?

ところでこのブタはなんでうなだれてるんだ?


「おい、まさかこれで終わりとか思ってないよな?まだ前半だぞ?」


は?という顔でブタがこちらを見る。何のために大切なものを確認したんだよ。






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