表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/64

インフォーメーションカウンターの惨事


  吉川さんが出勤すると、藤井さんが吉川さんに話しかけた。

 「また相澤ちゃんが、絡まれているんだよ」

 吉川さんが相澤さんを見る。

 すると、相澤さんが若い男3人組と、何か喋っていた。

 

 吉川さんも、3人組の事は、知っていた。

 「ああ、あの3人組ですか? なんかぁ、素行が悪そうな人たちですよね」

 藤井さんが心配そうに言う。

 「電話番号やら、ラインやら、聞いてくるみたいで……」

 「相澤ちゃんは、可愛いですからね。愛想もいいから。お客さんがついその気になってしまうと言うか……」

 「でも、今日は、いつもより長いなぁ」


 相澤ちゃんが、絡んでいた男一人に、手を捕まえられた。

 そして相澤ちゃんが、藤井さんを見た。

 藤井さんが言う。

 「ちょっと見てくる」

 藤井さんが相澤ちゃんのもとに行く。

 それを吉川さんが見て言う。

 「藤井さんは、男あしらいが上手だから、大丈……、あぅ……」


 藤井さんでも駄目だった。

 男の一人が、藤井さんに暴言を吐いた。

 「ババァはあっちイケよぉ」

 藤井さんが、ババァ呼ばわりされて叫ぶ。

 「ババァ!!!! ちょっとアンタぁ」

 「客に向かってアンタ呼ばわりかよぉ。失礼だろう???? あん? ババァ」


 吉川さんが焦って、カウンターからインカムに呼びかけた。

 「すいません、インフォーメーションカウンターです。相澤さんと藤井さんが、若い男3名に絡まれています。警備の方、インフォーメーションカウンターに至急いらしてください」


 そしてすぐ警備員達がやって来た。

 若い男3人を、警備員3名と、総務の男2人が囲んだ。

 そして、インフォーメーションカウンターの外で、揉め始めた。

 通りすがりのお客様が、その様子をチラチラと見て行く。


 若い男が言う。

 「色目を使ったのは、そっちでしょう?」

 総務の男が言う。

 「お客様をご不快なお気持ちにさせてしまった落ち度は、確かにこちら側にもあると思います。申し訳ありませんでした」

 もう一人の総務担当者が言う。

 「ここではなんですから、事務所でお話をさせていただきたいと」

 若い男が言う。

 「行かないよ。絶対行かないから」


 その謝罪を聞きながら。

 相澤さんが震えた。

 相澤さんは耳を塞いで、小さな声で言う。

 「私は、色目なんか使ってないです」

 藤井さんが、相澤さんの肩を抱いた。

 「分かっているよ。ちょっと休んできて良いから。休憩室に行こう。吉川さん、ちょっと売り場離れて良い?」

 

 吉川さんが言う。

 「ええ、少しならなんとか、私一人で回します」

 藤井さんが言う。

 「私はすぐ帰ってくるから」

 そして相澤ちゃんを休憩室に、藤井さんが連れて行った。


 そして10分もすると、若い男と総務の男たちが、揉め終わり。

 店の出口まで、総務の男と警備員達が、若い男たちに同行しながら、移動していく。

 若い男の一人が、出口に向かいながら、インフォーメーションカウンターに叫んだ。


 「吉川、お前が警備を呼んだのは分かっているんだからな」

 「おまえは、吉川だって知ってんだからな」


 そう言われて、吉川さんは震えた。

 ――怖い――

 吉川さんは、恐怖を覚える。

 

 総務の男が言う。

 「違いますよ。巡回していた警備の者が、お客様たちに気がついただけです」

 

 総務の男や警備員たちに見送られて、男たちは、店から出て行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ