奇妙な抱き枕
縛りワード 骸骨 体調不良 抱き枕
会社員、馬倉大介は睡眠障害に悩まされていた。
土曜日の朝、相変わらず朝の7時くらいまで眠れず、
ようやく眠りにつけそうなタイミングで
玄関チャイムの音で起こされる。
『私、セールスマンの喪栗福助と申します。
最近寝不足じゃありませんか?私の会社で売っている
この抱き枕で寝ていただければ一瞬で安眠できますよ?』
怪しいなと思いつつも意識が朦朧としていたのもあり、
購入してしまう。
-一万円か…高いな。しかも絵柄が猫耳メイドの萌えキャラ…
これは可愛くて悪くないな-
馬倉はアニメなども好きで萌えコンテンツにもそこまで
抵抗はなかった。彼女も現在は居なかったのでこれで
早速今日から寝てみることにした。
ー土曜日の夜
-うわぁ…これは何というか…たしかにすぐに眠りにつけそう
だ…!包まれるような幸福感…友人から聞いたことがあるぞ!こ、これが世にいう、、バブみというやつか‼︎-
人としてなにか大事なものを失った気がしたが、
馬倉は気がつけば夢の中に落ちており朝も気持ちよく
起きれた…
と思われた。
しかしきっちり8時間睡眠で起きれたまではよかったが、
目が覚めると猫耳メイドの萌えキャラががしゃどくろの
絵柄に変わっているではないか!
驚きのあまり飛び起きる馬倉。
急いでセールスマン、喪栗の電話番号に電話し苦情を入れる
喪栗『はぁ、左様ですか。こちらの製品は人間が抱くことに
よって体温に反応し、絵柄が変わる仕組みとなっております…
はぁなるほど、しかしよく眠れたのなら良いのではないですか?飛び起きたというのも二度寝防止によろしいですし、
クーリングオフするまでにはまだ日にちがあります。
もう少し試してみてからキャンセルも可能ですので、
それで検討されるのはいかがでしょう?』
たくみなセールストークに納得してしまい、
結局しばらく使いつづけることにした馬倉。
たしかに睡眠はとれるようになったので8日の
クーリングオフ期間が過ぎそのまま抱き枕を使いつづけた。
しかし骸骨のせいでどんどん体調不良になっていき、
仕事中もグロッキーな顔になっていった。馬倉は営業マン
だったのでクライアントから苦情が来ているなどと
怒られることも多くなった。
そんなこんなで3週間が経った頃、友人であり同期の
三宅拓郎から秋葉原に行って気分転換しないか?と誘いを
受ける。フィギュアショップなどを散策したあと2人で
メイド喫茶へ足を運ぶ。
しかしメイド喫茶のメイドさんを見た瞬間、馬倉はトイレで
吐いてしまった。メイドさんを見てがしゃどくろを
思い出してしまっのだ。
三宅に心配されたのて、唯一の友人である彼に抱き枕の
ことを相談する。
話終えると三宅は、それならばカバーを交換すれば
良いのでは?とのアイデアを提案する。
馬倉にとってそれは完全に盲点であり、なんでそんな
単純なことを思いつかなかったのだろう?とショックを
隠しきれなかったが、
良い機会だと、同人ショップに行き三宅のチョイスで
スク水ランドセルツインテールのロ⚪︎キャラの抱き枕を
オススメされる。
これはちょっと攻めすぎでは?と思いつつも断れない
性格の馬倉、購入し髑髏カバーとチェンジしてその日から
スク水ランドセルのカバーと共に寝ることにした。
さらに人として大事なものを失った気がした馬倉だったが、
結果は超快眠でき、朝もスッキリ起きれるようになり、
営業の仕事の成績もかつてないほどよくなったのだった。