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03話魔王には運がなかった

 さて、助けに行くには俺のスキルを使ってみる必要があるよな。


 スキル欄を開いた時と同じ要領で【スキル】『運命の歯車(ガチャ)』を使うと詳しい項目が出てきた。


【スキル】


 ・運命の歯車(ガチャ)

 →スキルガチャ


「スキル、ガチャ?」


 その言葉に反応して、スキルが使われたのか目の前に巨大なガチャガチャが現れた。


「カイト様……これは?」


 俺に聞かないでくれ。それにしても、これが俺のスキル?


「俺のスキルだと思う?」


「なんで、疑問形なんですか。でも、これがカイト様のスキル運命の歯車(ガチャ)ですか」


 やめて!運命の歯車って言ったらカッコよく聞こえて凄そうなスキルっぽいけど。


 ガチャだから……こんな運要素の塊のスキル他にないだろ。


「とりあえず、回せばいいのか?」


 レバーを回そうとすると、こんな表示が出てきた。


『初回無料! 初回に限り引き直し可能』


【スキルガチャ】

『ラインナップ』

 →火魔法 →剣術 →豪腕 →火耐性 →腕力上昇

 →水魔法 →棍術 →索敵 →水耐性 →腕力強化

 →土魔法 →斧術 →統率 →土耐性 →敏捷上昇

 →風魔法 →槍術 →威圧 →風耐性 →敏捷強化

 →氷魔法 →盾術 →夜目 →氷耐性 →身体強化

 →闇魔法 →体術 →再生 →闇耐性 →魔力強化

 →光魔法 →弓術 →鑑定 →光耐性 →聴覚強化


 表示されているラインナップを順番に見ていくと、ユキの話で出てきた『全知全能』などのスキルもあった。


「ユキ、このスキルがあれば捕まった仲間達を助けれるぞ」


「本当ですか! 」


「あぁ、勇者を俺が倒せばいいんだろ?」


「カイト様のスキルで、勇者にどう勝つんですか?」


 スキルの詳しいことは、ユキには伝わってなかったようで現状スキルについて分かっていることを話すと驚いていた。


 そのスキルなら、本当に仲間達を助けることができると喜び何のスキルなら勇者を倒せるかを考え始めた。


「やっぱり、氷属性の弱点の火属性のスキルとかでしょうか?」


 火属性か……それが、セオリーだよな。


「じゃあ、火魔法のスキル狙いってことか?」


「いえ、それが最低ラインです。本当の狙いは、レアスキルです」


「レアスキル? それって、『全知全能』とかか?」


「それは、神スキルですね……それが、当たればそれでいいと思います」


「狙いどころは、『火の加護』です」


「加護スキルか?」


「はい、火の加護は火魔法の力の底上げをしてくれる上に、得意属性からの攻撃を大幅に弱体化してくれます」


「そうか、そのスキルがあれば氷の勇者を倒すことが」


「ただし、通常は火の加護を持ってる人は火魔法を持っているので強力なのですが……カイト様は」


 それって、相手を弱体化できても俺の攻撃手段が無いってことか?


「火魔法お持ちではないので……素手でどうにかしてください」


「やっぱりか! 却下だ、却下!」


 素手で勇者に勝てるか、俺は日本でゲームばかりしていたもやし系男子高校生だぞ!


「ダメですか。たしかに私も無理かなと思いました」


 じゃあ、何で言った!


「ユキに任せたら、俺は死ぬ気がするから。実際に出たスキルで考えよう」


「少し残念ですが。分かりました」


「じゃあ、いっちょ運試しといきますか」


 次こそ、レバーを回すとお馴染みのカプセルが出てきた。


 カプセルの色は白だ、色はレア度に関係しているのか?


 そんな事を思いつつカプセルを開けると、中身は無く目の前にスキルを獲得しますか?とスキル名が表示された。


『火魔法』


 おっ!いきなり、最低ラインだけどお目当てのスキルがきた。俺って結構運がいいんじゃないか?


「ユキ、火魔法が出たぞ」


「火魔法ですか、妥協してもいいですが。せっかくですから、引き直してみては?」


 まぁ、まだまだいいスキルはあるからな。


 ユキの言うとり、もっと粘っていいスキルをゲットするか。


「レアスキルよ来い!」


 さっきと、同じくレバーを回すとまたまた同じく白色のカプセルが出てきた。


 また同じ色か……魔法系か?


 カプセルを開き、次に出てきたスキルは。


『火魔法』


 ……。また、火魔法かよ。


「どうでしたか?」


 期待の眼差しで、見てくるユキに結果を言うと。


「また、火魔法ですか?」


「魔法系が出やすいのか、それともたまたまか」


「二回連続は、意外とありますからね」


「そうだよな」


 偶然だと思い、再び引き直した結果は。


『火魔法』


 またしても、火魔法だった。


「なぁ、これ火魔法しか無いんじゃないか?」


 少し本気で、火魔法しか無いんじゃないかと疑っているカイトにユキは。


「そんなことは……無いと思いたいです」


 と、切実な願いを伝えた。


 このままだと、ユキをがっかりさせてしまう!


 引き直しができるんだから、ドンドン引いてレアスキルをゲットしないと。


 その後も、何回、何十回と引くが出てくるスキルは。


『火魔法』『火魔法』『火魔法』『火魔法』ときどき『火耐性』であった。


「ふざけんなー!!」


 我慢の限界が来て、怒りが爆発したカイトにユキは気長に頑張りましょうと頭を撫でてくれた。


 まるで、苦手なことに挑戦する弟を励ましているかのように。


 何で、火魔法ばっかなんだよ……おかしいだろ!


 どうしたらいいのか、悩むカイトは1つの方法を思いついた。


 何も、俺が引く必要なんてないんじゃないか?


 スキルの確認とかは俺しか出来ないだろうけど、レバーを回すだけなら!


 カイトは早速試そうとユキに頼むと、ユキは私がしたからといって変わるか分かりませんよ?と自信なさげにレバーを回した。



 すると、カイトが回した時とは違ってガチャ本体が黄金色に輝き始める。


 輝きの中から、出てきたのは純金のカプセルだった。


 カイトが期待に胸を膨らませ、ユキがカプセルを開けると……カイトにスキル名が表示された。


 スキルを獲得しますか?


【大賢者】


 表示されたスキルは、伝説のスキルだった。


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