8月24日、オレの鼻
あー、トイレトイレっと!
ふうーっ間に合った。このトイレは毎日ご主人がきれいにしてくれてるから、いつ入っても気持ちいいなあ。
ん?誰か見てる。
ぷ~ん
「臭っ!」
翔太だ。ウンコしてるんだから臭いのは当たり前じゃないか!
『翔太、お願いだからあっち行って』
「なんで?」
『今ウンコしてるとこだから!』
気が散るだろう。それに恥ずかしいしな。
それでも尚こっちを見てる翔太。オレは視線をそらし、目が合わないようにしてる。
「臭っ!」
あーもー、途中で止まっちゃっただろう!
オレはイライラしながらも、ウンコに砂を掛けそれを見事に隠した。
足についた砂を払ってと・・。
「臭っ!」
げっ!まだいたのか。
「レオ、何でそんなにウンコ臭いんだ?」
『オレだけじゃないぞ。ネコのウンコはみんなこういう臭いなんだからな。それに、翔太だってウンコは臭いだろう』
「僕はそんなに臭くないよおー!」
『そうですかあー!』
そんなに臭いかなあ?オレのウンコ。わりといい臭いだと思うけどなあ・・。
そしてオレは玄関にいた。ここは涼しいのもあるが、もうひとつオレがこの場所が好きな理由がある。それはご主人の靴の臭いだ!マタタビもいいけど、この臭いも超いいんだよねー。なんかフェロモン感じるーって・・。
「ん?レオ、口開いてるぞ!それにヘンテコな顔になってる」
翔太か。またオレの貴重な時間を邪魔しにきたな。
『翔太、何か用か?』
「いや、レオのヘンテコな顔を見に来た」
『悪かったな、ヘンテコで』
このヘンテコな顔にもちゃんと理由があるのさ!フレーメンて言うね。
オレ達ネコの嗅覚は鋭い!まあ、犬には負けるが。
オレ達ネコは、この鋭い嗅覚を使って、臭いでものを見極める!例えば親とか、兄弟とか、友達とか・・。
「あっレオ、鼻くそついてるぞ!」
「どっちの鼻?」
「こっち!」
翔太はオレの左の鼻を指差した。
オレは鼻から息をおもいきりはいた。
『どうだ、取れたか?』
「まだ」
今度は顔を左右にブンブンと振った。
『どうだ?』
「まだ」
くそっ!
今度は、顔を洗う要領で、手を鼻にもっていった。
『どうだ?』
「ぜーんぜんダメ!取れない」
このままだと、オレのダンディーが台無しだ。
『翔太、すまんが取ってくれ』
「いいよ!」
オレは翔太の顔の前にオレの顔を突きだした。
「レオ、近すぎ」
『ごめん』
「じゃあ取るよ・・よっと、よっと!」
「取れたか?」
「取れないなあ・・コノヤロー!」
『痛っ!こら、鼻をつまんでどうする』
「だって・・あれ?」
『ん?』
「これ・・ただの模様だ!」
『・・・』
勘弁してくれよ!
「うえっ!指がびちょびちょになっちゃった」
『鼻をつまむからだ』
「これレオの鼻水だ!バッチい」
『鼻水じゃないよ!ネコの鼻はいつも濡れてるの』
「そうなの?」
『そうなの!』
「鼻水じゃないの?」
『だから・・・』
「あーお腹すいたー!」
そう言ったかと思うと、翔太は走って行ってしまった。あれ?翔太、いつの間に走れるようになったんだ・・。こりゃあ益々手強くなるな!
でも、ぐんぐん成長してる翔太を見ると、なんだか嬉しいぞ!
『ゴロニャー!』