8月12日、オレの目
俺たちネコは基本的に夜型だ!だから視力は悪い。その代わり、他のセンサーがオレの体を守ってくれる。
オレの瞳は光に敏感に反応する。つまり、光の強さによって、大きな真ん丸の瞳から縦に長細い『1』の字まで変化するんだ。
朝・・中くらいの丸
昼・・数字の『1』
夕・・中くらいの丸
夜・・大きな真ん丸
こんな具合に!
昔、時計などというハイテクなものが無かった時代は、俺たちの瞳は大いに活躍したんだとか。形で大体の時刻がわかるからな!
でも、最近目やにがひどいんだ!毎日顔を洗い掃除はするけど、とても取りきれない。ご主人がよく取ってくれてたんだけど、最近はちょっと様子が違う。目薬とかという苦い液体をオレの目に注ぐから・・。オレはそれが大の苦手!
すると
「おい、レオ、今日は僕がこれをやってあげるよ!」
『ん・・うっ!』
なんと、翔太が手にしてるのはまさしく目薬だ!
『ギャー』
オレは一気に冷蔵庫の上によじ登った!
翔太のやつ、最近は何でも手にとってしまうから危ないったらありゃしない・・。
「ちぇ!じゃあ僕が自分で使っちゃおーっと」
そう言うと、翔太は自分の目に握った目薬を近づけていった!
こら!やめろ。それはネコ用の目薬だぞ。人間が使ったらひどい目にあうぞ!こら・・。
『翔太、やめろー!』
ヤバイ、このままでは絶対ヤバイ。
『ニャオー』
オレは、苦手な猫なで声ってやつを発音し、冷蔵庫を降りた。
『ニャオー』
そして、翔太の体にオレの体をこすりつけ、こう言った。
『オレの目に注いで下さい』
すると翔太はオレの方を振り向き、ニャッと笑った。それはまさに天敵翔太の不気味な微笑み・・。
オレは恐ろしさを心の奥にしまい、翔太の前で目を見開いた!
『さあ、やれ!』
「わかった」
そして・・ギャー!オレの目にその液体は注がれたのだった。
これでいい、これでいいんだ!
翔太が無事だったんだからな。
あんまり無茶するなよ!
『ゴロニャー!』