第5話「貴族は面倒だか俺も貴族」
1021/ルーセフト2.53
もうすぐ入学か、ペラペラと暦をめくっているが別に待ち遠しいわけじゃない、新暦が始まって以降急激に老けた気がするのだ、それもようやく終わるかと思うと気が楽になる。学園に通っている間は貴族間問題はタブーとなっているからなんだ
まあ俺当主になりました。急だって?そらそうだ俺もこんなに早くなるつもりは元々なかったでもな
「お父上、何故私達は没落寸前なのですか?」
「なにをいっているローデン、ニーデル家は没落寸前ではない!」
「では何故私達の領地が、コリチー家に譲られたのでか?私は納得いきません」
「なーに、コリチー家に預けたのだ。生活も前よりよくなっているだろ?これは良い予兆だ」
「そうですか、わかりました。修行に行ってまいります」
これは確か9歳の頃だな、領地を追い出されて良い予兆だ?この時の俺にでもわかる大嘘、この時クソ親父はコリチー家のハニートラップに散々捕まり挙句借金の担保に、領地を出す始末、この時生活が良くなったんじゃ無くて見栄えだけは張ろうと、屋敷の使用人を奴隷商に売り飛ばして、クソみたいな生活を送って居たんだ
まあ、そのお陰で中立国ルーセフトに追いやられたのは俺にとって転機だったんだ
俺は帝国にいる時名実ともに落ちこぼれ。6才の頃にナノの貯蔵器官が成長し、要約、適合属性、不適合属性が調べれるのだが、まあ知っての通り俺には闇を除く5つの属性が不適合だった、因みに闇も適合属性ではない、可もなく不可もなく、様は普通って事、此処で本来なら魔臓の耐久、今の段階でどれだけナノを貯めれるかを測るのだがクソ親父は断るんだよな
理由?そんなのこれ以上恥を晒さないため保身だな、そんな親はいない?これが残念帝国ではコレが普通、子供は当主の手足だからな
「はあ!はあ!っく、はあ!はあ」
可愛いもんだこの時は俺、斧をメイン武器に訓練してたんだ、クソ親父が使ってた理由に無理やりな。滑稽だろ?高々120くらいのチビに斧だぜ?幾ら子供用も有るとはいえ、俺がこの時振っていたのは木こりの斧、これしか振れなかったんだよな。体格に会わない武器じゃ幾らやっても上達なんかするわけないからな、
「お父上も母上も可笑しくなってしまった、こんな中立国に来てしまったのが行けないんだ!」
ま、見てわかる通り洗脳教育の賜物ですなこれは、今の俺からすると考えられないんだけど俺は、人間至上主義が当たり前、に育っていた
いつだったか、カーラー家のお嬢さんに怒りも湧かなかったのはこれを俺自身が体験して居たことが大きい9年の洗脳でコレなのだ12年の洗脳など滅多な事では溶けはしない
「なあ坊主、今の言葉口に出さない方がいいぞ」
「なんでですか?おじさんは人間なのに亜人が汚らわしくないんですか?」
「ひでーなおい、帝国、噂に聴いてたがこれ程とはな、こんな坊主が罪悪感なく差別してる、当たり前の様に」
「おじさんは可哀想です、こんな中立国にいるから人間の感覚が亡くなってきてるんです」
「人間の感覚か、おい坊主お前此処になにしに来た」
「お家が没落寸前だから仕方なく、土地の安い此方にきたんです」
「そうか、坊主強くなりたいんだろ?」
「そうですよ、僕には時間が無いので此処で時間を無駄にする事はできないのです」
「そうか、そんなものでどう強くなる?木こりになるのか?お前にはそんなもの無駄だぞ?恐らく斧に見立てて遊んでいるんだろうが無駄だ」
「なら、どうすればいいんですか!僕にはこれしかないんです!」
「そうか、なら選べそんなもの捨てて俺と来るか上達しないと分かっててそれを振り回すか」
「・・・」
「坊主が知らない世界を見せてやる。坊主をこの世界で指折りの魔術師に育ててやる」
「魔術師?それは無駄ですよ僕には魔法の才能が無い器も小さいから魔術師としての才能もない」
「器が小さいだ!?そんなわけ有るか!坊主お前には同世代に負けないナノが溜まっているんだぞ!」
「え」
「もういい、連れて行く」
これが俺の師匠になる人今考えるとコレ完璧犯罪だけど師匠には関係無かったんだろな、あの人マジで悪人だし
そうそう魔術師ってのは魔法使いとどう違うのかってのは魔法使いはナノを自分の体を媒介にナノに形をつけて放出するのが魔法使い
魔術師ってのは魔法陣を使い大気中にあるナノを直接魔法陣にぶち込んで陣にかかれた古代文字の道筋に従って形を造り放出するのが魔術師
え?じゃ皆が魔術師になれば優劣がつかない最強集団ができるじゃないかって思うだろう。でもな魔術師ってのは魔法陣に込められるナノは魔術師の『器』に依存するんだ、器ってのはナノを溜めておける魔蔵のことだな、それはどうしてかって?これは俺が考えたんだが、潜在意識の問題だと思う、これ以上は入りませんよって魔蔵はナノを貯めるのを辞めるんだが、魔法陣にナノをぶち込む時感覚的に自分の魔蔵にナノを注ぐ様にしなければ成功しないからなんだ、だから術者本人にどうしても依存してしまうんだ
自分の魔蔵にナノを注ぐ感覚得るのには死ぬ手前まで何度も行かないとダメだからオススメしないぜ、魔術師は
そうそう魔法陣は大きければ大きい程に効果は上がるんだよ、これは文字のバランス量、質コレラが関係してるんだよ古代文字って一文字作るのに6個も文字書かなきゃいけなかったり大変なんだぜ。ま、普段は紙に予めストックしといて、一気に数枚使って火力を上げたりだとかするんだよな。まあ保存の陣は絶対必要だけどな、魔術師は普段はずっと机に向かってるガリ勉なんだぜ?
「お師匠さん!ナノを血液を通して循環させるのは大人になってからだと聞きましたが、今やっても本当に死なないのですか?」
「死なねえよ、チョコっと成長に影響するだけだ、身体にな」
「そうですか、なら僕はやらない方がいいですよね、まだ大きくなりますから」
「いや、やれ、コレは師匠命令ね、俺もガキの頃からやってるがここまで背があるだろ?」
コレは詐欺だ!実は当時の俺から見たら大きく見えた、でも師匠って160くらいなんだよな、個人差はあるさ個人差はでもな俺も成長止まって154だぞ!どんだけチビかわかるか!師匠には感謝してるけどこれだけはハメられたんだよ、だいたい最近師匠に
「俺よりチビで安心したわ、は!は!」って言われてるからなあれは確信犯だと言える!
ま、この時師匠に拾われなかったら今も弱いまま、差別だけが残る弱い人間のままだったてのは断定できる。俺の考え方は全て師匠が正してくれたからな
「ローデン様、ローデン様!そんな所で寝ては風邪を引きます、湯浴みしてから床に就いて下さい。」
「ふぁ、ねてたか、悪い悪い、今まで済まなかったな、シケットが再度フェアヴルターに着任してくれて嬉しいよ」
「わたくしはローデン様の為なら何度でもお力になります。ローデン様なら御学園を卒業されたなら必ずや再度領地を持つことが可能でしょう。」
「ああ、クソ親父が売った全ての家族を取り戻して必ず期待に応えるよ。」
まあ帝国に戻る気はないがな、俺は俺のやり方で取り戻す
その為の犠牲だったのだからな