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  作者: 京桜
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知果

 どうゆう物語を紡いでいくのか? 自分でも手探りの状態です。

 「十和子どうして……目を開けてよ! 僕を置いていかないで! 」

 痛々しい傷跡をさする様に頬を撫でると、氷の様に冷たい。

 眉間の皺と唇を噛む様子に、最期まで苦しんだ事が窺える。

 僕の涙が十和子の顔を濡らす。

 

 初めて出逢った時、とても美しい女性だと思った。

 白の着物と紅の袴が似合っていて、目が離せなかった。

 十和子と目があった時、僕は一目惚れをした。

 それから僕に巻き込まれた様に行動を共にして、何度も僕を敵から守って……不甲斐無い僕を微笑んで見つめて。

 「知果、手を貸してくれませんか? 」

 僕よりも少し大きい掌に預けると、十和子はそっと僕の掌を包みこんだ。

 「知っていますか? 私にとって知果を守れる事が幸せなんです。だから知果は黙って私に守られていなさい。」

 「男として女の子に守られているのって……少し恥ずかしいな」

 「私、女性だなんて一言も言っていませんけど」

 「ぇえ! 十和子はどう見ても女の子でしょ? びっくりするから、からかわないで」

 「知果は私が男性だと嫌ですか? 」

 「嫌というか……嫌じゃないからそんな顔しないでよ」

 十和子は美人だから悲しい顔は似合わない。

 「本当ですか? 」

 「うん! だから十和子が男性になっても、僕の気持ちは変わらない。大好きだよ」

 俯いて十和子は唇を噛みしめている。

 「十和、あ~~どうした? 」

 子供の様に僕に抱きついてくる十和子をあやす様に、背中をそっと叩く。

 時々大人っぽい十和子が、幼くなる瞬間がある。

 その時は黙って、甘えさせる。

 「知果は私が男性だと嫌ですか? 」

 「嫌というか……嫌じゃないからそんな顔しないでよ」

 十和子は美人だから悲しい顔は似合わない。

 「本当ですか? 」

 うん! だから十和子が男性になっても、僕の気持ちは変わらない。大好きだよ」

 俯いて十和子は唇を噛みしめている。

 「十和、あ~~どうした? 」

 子供の様に僕に抱きついてくる十和子をあやす様に、背中をそっと叩く。

 時々大人っぽい十和子が、幼くなる瞬間がある。

 その時は黙って、甘えさせる。

 かわいい、かわいい十和子。

 

 僕が何かに追われる者ならば、彼女は何かを追う者になる。

 初めて出逢った時、彼女は途方に暮れていたそうだ。

 橋で何をしていたのか、これからどうしていいのか分からず、ひたすら何かを探していた。そこに偶然現われた僕が困っていたから、助けた。


 やっぱり今でも君は……僕との出逢いを運命と思っている?

 この先どうしましょうか……

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