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優しい竜と一緒に森に住んでます  作者: 比呂子
第1章
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5

「頼んでいた物は手に入ったか?」


お弁当をデザートまでしっかり食べて、満足気に尻尾を揺らすティーヴァに父様が聞きました。

この森には人間は住んで居ないのですが、種族毎に自然の中に集落を作り暮らす《獣人》や《エルフ》も父様が住み着いて魔獣の被害が減った頃から、森の中に集落を作り住んでいるのだそうです。

なので私は《人間》に会った事はないけど《獣人》や《エルフ》、それと父様を時々訪ねてくる《魔族》には会った事があるのです。

皆んな優しい良い人達なのです…人間ひとでは無いですが。

その中でもティーヴァは、よく父様に森を出た所にある村までお使いを頼まれるのでこうやってご飯を一緒に食べる事もあります。


「あぁ、忘れてた!

コレ頼まれてた調味料と、母さんにリルムに持って行けって渡された新しい服。

それと、こっちがお釣り。」


さっき持っていた大きなリュックと、ポケットから出した小さな皮の袋を父様に渡すティーヴァ。

ティーヴァのお母さんのレイナさんは村で服屋さんを出して居ます。

柔らかいお顔をしたふっくらした体型の紅い髪の獣人さんです、ティーヴァはレイナさんよりお父さんの黒い髪に無駄な脂肪の無いすっきりした体型の獣人のライナムさんのキリッとしたお顔に似ています。

ティーヴァが着ているタンクトップや腰に結んだシャツも履いてるハーフパンツも、今日私が着ている薄いピンクのワンピースもレイナさんお手製のお洋服なのです。


「うむ、確かに受け取った。

そろそろ新調せねばと思っていた所だ助かる。

これは服代としてレイナ殿に渡してくれ、それとこっちは今回の駄賃だ。」

「了解!毎度あり♪」


父様が皮袋の中から数枚の硬貨を出して渡します。

にかッと笑ってそれをティーヴァが受け取ります。

よくお使いに行ってお駄賃を貰っているので、《お駄賃》とはどういう事に使うものなのかこの前聞いたら。


『オレは18歳でまだまだ成長期だからさ、すぐ腹が減っちまうんだよ。

だからヴィルクスのお使いで貰える駄賃で食い物を買って食べてるんだ。』


って、言っていました。

お家で一緒にご飯を食べる時も、私や父様よりも沢山ご飯を食べます。

成長期だからと食べ過ぎると後で後悔するぞ、と父様に言われた時はキチンと運動や労働で消費してるからデブったりしねぇと言ってましたが、ほんのちょっぴり食べる量が減ったのを知ってます。


父様とティーヴァと一緒に片付けた後、受け取った荷物と持って来た荷物を指して家に一度持って帰るからティーヴァと待っていなさい、と頭を撫でながら父様が言うので頷きました。

父様と離れるのはちょっぴり寂しいけど今日はティーヴァが居るから大丈夫です。


「リルム、何して遊びたい?」

「駆けっこ〜♪」

「おしっ、じゃあリルムがオレに勝ったら村で買ったシュハナの飴をやる。」


それを聞いたら負けられません!

シュハナの飴が私は大好きなのです、ティーヴァに勝って父様の分も飴を絶対に貰うのです!




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